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Cyborg – Il guerriero d’acciaio

人間より人間らしい心を持った Humanoid

世界的 SFX の大家 Giannetto De Rossi の初監督作品。Zombi 2 などで名声を博する特殊効果の精緻が織り込まれており、技術的専門性も高い。「種の垣根を超えた友愛」という主題、そして Frankenstein complex に駆られた創造主によって Humanoid が追い詰められる Story line から鑑みるに、意識されているのは Terminator でも RoboCop でもなく、古典の Frankenstein である。

Cyborg – Il guerriero d’acciaio

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  • Regia: Giannetto De Rossi
  • Soggetto
    Dardano Sacchetti
    Giannetto De Rossi
  • Produttore: Fabrizio De Angelis
  • Fotografia: Giovanni Bergamini
  • Musica: Lanfranco Perini
  • Interpreti
    Frank Zagarino … CY-W1
    Sherrie Rose … Susan Scott
    Brandon Hammond … Brandon Scott
    Henry Silva … Colonel Hammer
    Ronald Lang … Johnson
    Bill Hughes … Lieutenant Dawson
  • Anno / Durata: 1989 / 93 minuti
  • Produzione: Fulvia Film
  • Titolo
    Inglese: Cy Warrior
    邦題:電脳戦士サイ・ウォーリアー
    対訳:サイボーグ 鋼鉄の戦士

Italia 流の Frankenstein’s monster は、心優しい二枚目

Il boss が演じる Hammer 大差の狂気の言動は別枠扱いとして…笑いあり涙あり、牧歌的演出による、古き良き「心温まる家族向け」作品に仕上がっている。題名から Hardcore Sci-Fi を期待した視聴者は肩透かしを喰らうだろうが、根本的に Film d’azione として企画された作品ではないはず。作品完成後に、時流に合わせて、題名が差し替えられたと考えられる。

監督は当時47歳。演出は 60’s 後半の Spaghetti Western 黎明期の作品に近く、戦闘場面が Climax まで温存される古典的な Plot が組まれている。主人公 CY-W1 は最後まで戦わない。敵から逃走し、手傷を負う。なぜ戦わないのか?

  • 設定上の理由:CY-W1 は未完成。武器の扱いや格闘術を学習していない。
  • 演出上の理由:「体内の機械を修理する」という特殊効果を見せるため。

監督の「天才的技術屋」という長所を活かしつつ Action 未経験の短所を補う演出である。戦闘を回避し「自己修復」が見どころとなる終盤までは Action 作品として見れば地味だ。しかし「堪え抜いた怒りが頂点に達する」Thunder(こちらも Fabrizio De Angelis が手掛ける作品)にも共通する爆発力はあり、また家族向け作品として見れば衝撃的な SFX が展開されるのである。僕は、もちろん好きな作品なのだが…やはり題名が良くない。

I personaggi

  • CY-W1

    Cyborg - CY-W1

    超人兵士の開発を目的とする、米国政府の機密案件 CY-W Project によって生み出された Humanoid の Prototype である。輸送船内の事故で偶発的に覚醒、逃亡する。Final Program が Install されていない為、記憶喪失の人間に等しい状態であったが Brandon 少年の家に招かれ、辞書や図鑑で一般知識を得る。女性と子供だけの家庭であり、当時は Internet も普及していない為、武器の扱いなど軍事的な専門知識は得られなかった。有限の生存期間が設定されている。

  • Susan Scott

    Cyborg - Susan Scott

    23歳。両親を自動車事故で失い Caribbean の島で、弟の Brandon と二人で暮らしている。CY-W1 が右足を骨折していることに気が付くと、見ず知らずの男性ながら、すぐさま看護した。身心共に美しい女性である。記憶のない人造人間 CY-W1 に「人間」としての生活を教える。住所は Sky Fernando Gomez 13 と設定されているが、架空の街のようだ。

  • Brandon Scott

    Cyborg - Brandon Scott

    8歳。草むらに潜んでいた CY-W1 を目ざとく発見。右足を骨折した CY-W1 を自分の家まで連れて行った。人造人間である CY-W1 を「格好良い」と感じる純粋な少年。CY-W1 に Video Game で勝利した。Play title は R.O.B. 専用ゲーム Gyromite である。BGM は、なぜか Kung-Fu Master に差し替えられている。本来は対戦型ではないが、子供ならではの自由な発想で対戦方法を編み出したのだろう。

  • Colonel Hammer

    Cyborg - Colonel Hammer

    ベトナム帰りの陸軍大佐。逃亡した CY-W1 の回収任務を担う。理由は不明だが CY-W1 を異常に憎んでおり、いきなり上層部の命令を無視して破壊しようとする。CY-W1 を Piece of garbage(ガラクタ野郎)Piece of shit sardine can(出来損ないのイワシ缶)Human piece of crap(ポンコツ人間)と罵倒し、憎しみが極まって "Son of a bitch… Son of a bitch!" と二度繰り返した。挙句には、街ごと爆破するとまで言い出す。何が、この男をここまで駆り立てるのか… CY-W1 の居場所は通信機で追跡可能なのだが Hotel の窓から、街を双眼鏡で観察している。とにかく、理屈というものが通じない男。

  • Dawson & Johnson

    Cyborg - Dawson & Johnson

    Dawson は中尉。African American の青年が Johnson である。Dawson 中尉は、目的の為に市民の命を犠牲にする Hammer 大佐に異議を申し立てる。Johnson は、あくまで軍法遵守を考える。CY-W1 と対峙した中尉は、彼の真っ直ぐな眼を見て、非人道的任務の放棄を決意するが Johnson は軍法違反に動揺する。そこで中尉は、咄嗟に「漁業家」への転向を宣言。Johnson に援助を依頼する。前職が漁師だった Johnson は "Fisher!? What the hell, you know my fish?" と、恐らくアドリブの冗談を返し、中尉に賛同した。声の裏返り具合も良い。土壇場で、笑いの本領発揮である。

  • Government

    Cyborg - Government

    CY-W Project を主導する一団。指揮者は恐らく副大統領。陸・海・空軍の提督が顔を揃える。開発責任者 Kaufmann 博士によれば、完成された CY-W は、熱帯・寒冷地においても活動を制限されることがなく Maitotoxin と酸、さらに生物工学の産業廃棄物への耐性を持つという。

Sherrie Rose 特集

とにかく Sherrie Rose が魅力的、演技も容姿も抜群!本作撮影時は、演じている Susan の設定年齢と同じ23歳。映りによっては、20代の頃の Sarah Michelle Gellar のように見える時も。衣装と髪型は三点で、どれも秀逸。髪を上げている時が、また可愛い。CY-W1 に着替えを覗かれる Scene もあり、下着姿も披露している。これは Commedia Sexy 的な演出。「美人女優ほど露出度が上がる」法則は Cinema Italiano の特徴のひとつ。

  • Cyborg - Sherrie Rose 1
  • Cyborg - Sherrie Rose 2
  • Cyborg - Sherrie Rose 3

米国作品を避ける僕だが、余りに Sherrie Rose が可愛いので New Crime City の日本版 VHS を購入してしまった。

日本版 VHS の状態

定番の字幕付与した米国版。これまた定番的な、日本販社ならではの嫌がらせで 05:00 まで米国作品の宣伝が続く…そして、字幕の質は「危険」である。台詞と異なる、勝手な内容の捏造が目立つ。これでは翻訳者による脚本の改竄だ。Lieutenant が「軍曹」になっていたり Sky という単語すら聞き取れておらず「カイ」と表記するなど常軌を逸した箇所もある。とりわけ Dawson と Johnson の台詞内容は理解されていない。英語が不得手だと、細部の会話の面白さや、裏主役 Hammer 大佐の持つ「破壊力」を理解することは不可能だ。米俗語に馴染んでいる方は、大佐の言動の数々に「卒倒」して欲しい。

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