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戰神傳說

哥特交響樂

鯱と戯れる青年、月光と海、笛の音、死体が埋まる大地に咲き乱れる花、そして禁断の愛…叙情的な耽美片ながら、幻想的なだけでなく「心奥に秘めた愛の逞しさ」を描き出す。断ち切れぬ戦いの因果、運命に翻弄される恋人たち。影片には貴重な「耽美的江湖」Chinese Gothic に酔う。

戰神傳說

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江湖の詩的情感

劉德華與梅艷芳引用:劉德華梅艷芳昔日戀情曝光,劉德華「一生中最愛的女人!」每日頭條

流浪の王『燕十三』の許嫁である、皇族の姫君『月牙兒』と、片田舎の漁師『阿飛』の禁じられた愛。『燕十三』の弟、謀反を翻した悪王『燕十四』の密偵でありながら、暗殺すべき相手に心を奪われた『魔仙兒』の禁じられた愛。想いは叶わずとも、己を貫き通す『阿飛』と『月牙兒』そして『魔仙兒』の生き様に流れる、江湖の詩的情感…

脚本の羅啟銳は、1987年《秋天的童話》及び、2010年《歲月神偷》で香港電影金像獎の最佳編劇を獲獎した実績を持つ。

無邪気な若者であった『阿飛』が、美しき「月」に導かれ、戦士としての宿命に生きる。『阿飛』は「死体が埋まる大地には、花が咲き乱れる」という伝説を、その身をもって再現するのだ。華仔の「王子様」的な魅力が存分に発揮される脚本である。そして Producer が女性ということもあってか『月牙兒』と『魔仙兒』は、安易に愛想を振り撒くような女性ではなく、男性よりも「凛とした誇り」と「芯の強さ」を持っている。とりわけ女性の心に刺さる作品であろう。

玲瓏

半円型をした不思議な楽器、二対の玲瓏(リンロン)が恋人たちを象徴する。僕はこれまで知らなかったのだが「玲瓏」は日本語になっており「れいろう」と発音される。その意味は「玉などの触れ合って美しく鳴るさま。また、音声の澄んで響くさま。」である。『月牙兒』を演じる梅艷芳と華仔は、1990年頃より恋人関係にあるという噂があった。真相が明らかになることはないであろうが、本作における迫真の恋愛場面を見ると、つい深読みしてしまう。華仔の感情が、いつにも増して湧き上がっている気がしてならない。

最自由是我和你海岸

最大の魅力は、なんと言っても、主人公『阿飛』を演じる華仔である。『阿飛』は片田舎の漁村に暮らす、村長のひとり息子。粗野な面もあるが、清い心の持ち主で、武術に長けた二枚目…もう異様なまでに二枚目!僕は華仔の武俠片を初めて見たので、長髪の古装姿に驚いた。まさに武俠小説が現実になった英雄。そして、儚さや脆さを振り切る、心身の強さを持った青年だけに、その「剣戟」も壮絶。監督は洪金寶、動作設計は元奎と程小東。この布陣から容易に想像出来るように、軽巧を用いた流麗な剣捌きの演出は超一流。本作は、動作片としても非常に充実しているのだ。とりわけ、間合いの読み合いに Cut-in される『阿飛』の見栄には痺れる。華仔ファンは必須で見るべき作品と断言しておこう!

そして、素晴らしい名場面がある。『阿飛』が友達の鯱『ワイ』と戯れる Sequences だ。華仔の歌う主題曲〈最自由是我和你海岸〉を背景に、自然と人間が一体になる。美しく澄んだ海、おおらかな晴天…感動的だ。設置された撮影セットの漁村の完成度も高いので、架空の世界とわかっていながら「こんな漁村で生活をしてみたい!」と強く思わせる、夢に溢れた光景。この『ワイ』も物語に深く関わる。

収録專輯

主題曲〈最自由是我和〉が収録された專輯は存在しない。違法ながら音源として存在しているのは、名称不明の海賊版だけの模様。時に、海賊版でも貴重な音源があったりするのが困りもの。

張曼玉が友情出演!鍾鎮濤に要注目!

嘩!英雄
尖沙咀 HMV 發現了《嘩!英雄》VCD

華仔と張曼玉と言えば、あの大ヒット作《嘩!英雄》だ。なんとも嬉しい友情演出、彼女の「凛々しさ」は強く印象に残る。武俠片である本作では、暗殺者として深刻な宿命を背負った『魔仙兒』を演じ、劇中では一度も笑うことがない。

また最低限の言葉しか発することはなく終始冷徹。狄龍が演じるような重々しい剣客なのである。女性であることすら意識させない『魔仙兒』という役は、絶世の美女が演じてこそ、凛々しさが際立つ。いたいけな少女から、暗殺者まで…張曼玉の演技力、恐るべし!

そして鍾鎮濤が華仔と共演!70年代、鍾鎮濤が所属していた《溫拿樂隊》の仲間、譚詠麟と華仔は《至尊無上》など、5作以上の同時主演作を持っているが、鍾鎮濤と華仔の共演作は、ぱっと思いつかない。往年のファンには、とりわけ興味深い「夢のアイドル共演」である。鍾鎮濤は華仔一向に守られる君主を演じ、幾度も危険な目に遭い「うわ、死にそう!おぉ、なんとか助かった…」という展開になる。かなり緊張感があるので是非、彼の顛末に注目してもらいたい。耽美な世界観において、鍾鎮濤だけは、どこか喜劇的なのである。まさに陽気な人柄のなせるところ。

敵役を演じる王霄は《鼠膽龍威》での、卑劣な悪党役が強烈だった。本作の前年《至尊無上Ⅱ永霸天下》で華仔とは既に共演している。僕はこちらの作品は、王傑が主演しているとあって見たい作品なのだが…未だ見られていない。

再評価されるべき香港電影の Symphonic Fantasy

張之亮《籠民》1992
張之亮《籠民》1992年最佳電影

本作は、華仔が設立した天幕製作による。巨額が投資されたが、収益はわずか11万香港ドル(2015年06月27日の為替で¥1,757,048.92)と大きな損失になったと伝えられている。

本国での公開は1992年12月19日。年内の競合作品は、最佳電影の張之亮監督《籠民》や、王晶監督・周星馳主演の《鹿鼎記Ⅱ神龍教》そして成龍の《警察故事Ⅲ超級警察》など。洪金寶導演としても歯痒い気持ちは、若干あったであろう。

本作の主要登場人物には、総じて「死」が明示されており「自己完結したお伽話」に仕上がっている。つまり、開幕で広がった世界が、劇終で完全に閉じる。登場人物は実質五名のみ。主人公陣を支える役は、鯱の『ワイ』しかおらず、架空世界に「生活」という奥行きを与える「群衆」もほとんど画面に映らない。作品世界が、やや狭量に感じられるのは、その為ではないだろうか。

しかしながら「耽美」と Nostalgia が前面に押し出された、この異色の美しき「故事」は Gothic fashion や Symphonic Metal が定着した現在、より高く評価される可能性がある。是非とも本作を見て、公開当時とは異なる評価をしていただきたい。

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