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Die säge des todes

13日の金曜日よりも狂った映画。

Jesús Franco 監督自身の言葉である。Gore という米国生まれの猟奇的流行。神は Hollywood に真っ向から勝負を挑んだ。Don Quijote と言う輩もいる。しかし神の評価は死後、高まる一方。血塗れながら心温まる結末。女優も美人揃い。そんな「人間臭さ」こそ、機械的大量生産の米国との決定的な違いだ。

ブラディ・ムーン 血塗られた女子寮

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  • Réalisation: Jesús Franco
  • Scénario: Rayo Casablanca
  • Photographie: Juan Soler
  • Musique: Frank Duval
  • Producteur: Wolf C. Hartwig / Otto Retzer
  • Distribution
    Olivia Pascal … Angela
    Christoph Moosbrugger … Alvaro
    Nadja Gerganoff … Manuela
    Jasmin Losensky … Inga
    Corinna Gillwald … Laura
  • Anée / Durée: 1981 / 85 minutes
  • Production: Lisa-Film / Metro Film / Rapid Film

死の鋸に息づく神の Lyricism

Jesús Franco
Jesús Franco

当時、Jesús Franco 監督はこのような文句で本作に対する自信を述べている。『13日の金曜日よりも狂った映画を撮ったよ!』…確かに狂っている。ピンも狂っている。だが、80年代の米国 Splatter 映画の流行を上手く取り込みながら「神」は、この『死の鋸』を、確かに映画史に残る作品へと仕上げた。

以前より Gore 然としたシーンも所々存在した監督作品だが、 80年代に入るや Gore の目白押しとなってしまう。本作でも「大鋸」や「ガーデニング用の鋏」など過激極まるアイテムを登場させ『狂った』シーンを次々と生み出した。

神の信者間でも時折、話題になる本作。Jesús 流の Giallo な Plot と過激極まる Hack & Slash の続出で、観た者の度肝を抜く。信者的には洋服ダンスにビニール詰めで隠される死体のシーンに 5 bambole per la luna d’agosto へのオマージュを見る思い。

また黒ずくめに黒ハットのいでたちの犯人は Giallo そのものだし、こうした分野の愛好家であれば、本作には Jesús Franco 監督の「映画への愛情」が詰まっていることに気が付くだろう。

Die säge des todes – Olivia Pascal
Olivia Pascal as Angela
Die säge des todes
Corinna Gillwald as Laura

これはオマージュだ!

El secreto del Dr. Orloff
L’horrible Dr. Orloff (La version française)

実際、こうしたことを監督が「ファン感覚」でやってしまう為、頭の固い人達にはパクリだ、などとなじられることもあるが、それは違う。神は「無意識」にやってしまうのだ。なぜかと言えば、映画が好きだから。以前、雑誌の Interview において Dr. Orloff という登場人物の由来について厳しい突っ込みをされたことがあった。

Interview from Vampirera May 01, 1974

「監督の Dr. Orloff (El secreto del Dr. Orloff)と Walter Summer 監督の The dark eyes of London で Bela Lugosi 演ずる Dr. Orloff というのは偶然の一致なのですよね?」

「…その映画の監督って本当に Walter Summer なの?マジで!? いや、つまり…その…その映画を見た記憶はあるんだよね。でも、ほら、子供の頃だったから。そういえば最新作ではドイツ版のもあったよね…もちろん Edgar Wallace の原作は夢中になって読んだよ。そう、その原作に無意識的に影響されたに違いない。わざとやった訳じゃないんだから。それに、今ならこうも言える。誰かが他人の作品からアイデアをちょっと拝借すると、決まって言うじゃないか。『これはオマージュだ!』ってね。」

(雑誌 Vampirera 5.1.74 より抜粋/対訳:國司和宏)

それでいい。いや、それがいい。

常にファンと同じ視点でものを見れる人物だから神映画には夢がある。陽気で映画が好きで仕方ない Jesús Franco 監督だからすべてが許される。こんな言葉を聞いたら信者にならずにはいられない。

本作でも神の世界は健在。独特の空気感は他の Horror 映画にはない不気味さを醸し出す。同時に、犯人の内に秘めた愛憎を描き出し、惨憺たる殺戮劇においても、どことない Humanism を残した。後の無秩序な「人喰い映画や戦争映画」などで失われていった、神の "Lyricism" はまだ息づいていた。

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