Lo chiamavano King
King と呼ばれたのは、冴えない口髭の男であった。
VHS の表紙は Klaus Kinski だった。悪役だった。King という男、撃たない。ひたすら絞殺。苦虫を噛み潰す Kinski の表情のアップと気持ちが同期する。一杯食わされた…Bacalov の主題歌だけは屈指の名曲。

- Regia: Giancarlo Romitelli
- Soggetto: Renato Savino
- Produttore: Luigi Nannerini
- Fotografia: Guglielmo Mancori
- Musica: Luis Enriquez Bacalov
- Interpreti
- Richard Harrison … John Marley (King)
- Klaus Kinski … Brian Foster
- Goffredo Unger … Ben Benson
- Anne Puskin … Carol
- Luciano Pigozzi … Collins
- Tom Felleghy … Ericson
- Anno / Durata: Il 18 Maggio 1971 / 93 minuti
- Produzione: La Foro Film
- Titolo
- 対訳:人は奴をキングと呼ぶ
- Francese: On m’apple King
悪徳シェリフ。

Richard Harrison = King(主演)なのに映画は Kinski で売っているところがミソ。Kinski は思いっきり敵役なのであるにもかかわらずコレ。僕は騙されました。Kinski が King という渾名の Bounty Killer なんて余りにもクールじゃないか!しかも歌もカッコイイ!そう喜んだのも開始10分までだった。
突如現れた Richard Harrison みんなそいつを"King" と呼んでいる。えっ Kinski は!? ただの敵のボスでした。King はといえば撃たない。まるで拳銃を撃たない。作品中撃ったのは一発だけ。都合3度の肉弾戦があり、凄いのはどれも敵の首を絞めて勝つところ。素手で、ロープで、とにかく絞殺!
最後の最後で Kinski と一騎討ち。ここで始めて King が撃った。勝った。ただ映画で一番印象に残った Sequence は Kinski がヘマをやらかした部下に切れてナイフを投げつける場面。確か Kinski は悪徳シェリフの役だったはず。それぐらいか。いつも Nevada Kid と記憶が混じる作品。どっちもどっちだが、まぁ、やや King の方がマシ。
実は2000年の9月号の Nocturno(イタリアの映画雑誌)にはこの映画の監督のインタビューが乗っており、大きく King とか書かれていたりする。これには驚いた!さすが Nocturno 他とは視点が違う。つーかヤバい。特集女優も Lorraine De Selle だった…マニアック!
His name was King…

ブラックな後ノリの滅茶苦茶格好良い Luis Enriquez Bacalov のテーマ曲で始まるこの作品。数あるウェスタンの名テーマにおいても、さすが Django の Bacalov だけあって、この King のテーマも完璧。
二枚組みの EMI から出ている Spaghetti Westerns, Volume Two というシリーズ物コンピの2番目に収録されているので、ファンならずとも聴いておきたい。このコンピはいい。なかなかアルバム1枚に手を出しにくい西部劇のサントラ、ただどうしても主題歌は欲しい。そんな人に最適。
Tepepa, Vamos a matar, compañeros, Django, Il mio nome è Nessuno, Quién sabe? こんなに豪華な選曲をしてある。もちろんややマイナーな作品も沢山とりあげているし、はっきり言って買わないと損。
僕はこのコンピを買う前に映画自体を見ていたので、長らく Lo chiamavano King のテーマ曲を探していた。とにかく歌が格好良かった。不安だったのは映画自体がかなり小さい作品なのでサントラの存在自体が怪しかったのだ。唯一の希望は作曲者が Bacalov だったことで、そこに期待をかけたところ、やっぱりコンピに混じっていたと言う訳。