Heijastin

5 per l’inferno

イタリア俳優最強軍団結成!

見どころは、なんといっても Gianni Garko, Nick Jordan, Sal Borghese, Luciano Rossi によるイタリア俳優最強軍団(異論は認めない)結成にあり!さらに敵役に Klaus Kinski スパイ役に Margaret Lee という豪華絢爛ぶり。

5 per l'inferno

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Il commentario

Gianni Garko, Klaus Kinski は初代サルターナに引き続きのタッグ出演 Nick Jordan, Sal Borghese は Gianfranco Parolini 監督常連役者で Luciano Rossi は Rivelazioni di un maniaco sessuale al capo della squadra mobile での死体マニア役や Lo chiamavano Trinità… のチミッド役でファンの支持を得ているカリスマ俳優。Napoli violenta での死に様は僕的に伝説!Bud e Terence の傑作 I due superpiedi quasi piatti(邦題:笑う大捜査線)のジェロニモ役でも、そのカリスマを存分に発揮していた。Kinski も、この当時のドイツ人俳優には定番的に回されたナチ将校役(香港電影の日本人俳優と似た境遇である)を、不本意ではあろうが完璧に演じ切り、作品のシビアな側面を支えている。僕は、神田古本屋街にて日本版パンフレットを入手!

そして今回も我らがヒーロー Parolini 監督作品レギュラー俳優陣が大活躍。彼ら、やたらと陽気なイタリア気質を持ったアメリカ兵である。リーダーは Gianni Garko が演じる『グレン』ヤンキーということで野球が得意。爆弾をし込んだ必殺魔球で敵をぶっ飛ばす!もちろん百発百中。Sabata などでお馴染み Acrobatic を得意とする Nick Jordan が演じる『ディック』は、例の如く身軽な動きを得意とし、戦場が舞台とあってマシンガンを乱射したり、高圧電流の仕掛けられた鉄格子を脅威の跳躍力で飛び越えたりと縦横無尽に暴れ回る!前半ではハーモニカにあわせてのダンスを披露するなど、まさに Nick ファン必見の活躍。そして、注目の『アル』 (Sal Borghese) はお笑い担当。戦場では、これといった活躍こそないが、相変わらずトボケまくることで、血生臭い空気を和らげることに一役買っていた…のだが、物語終盤でまさかの戦死!しかも突然。もうひとり『サム』(Samson Burke) という男がチームにいたが、彼もまた目立つ活躍もせぬままに戦場に散っていった。『サム』を演じている俳優は見かけない顔なので致し方ないとしても、なぜ常連役者をリストラされたし

俺はチキンじゃない!

5 per l'inferno - Luciano Rossi
Luciano Rossi is the most featured on Japanese pamphlet

殊勲賞は『ジョニー 』(Luciano Rossi) だ。日本版パンフレットでも見開き全面の超待遇。Luciano Rossi が、ここまで Feature された印刷物は、そうはないだろう。ジョニーは臆病者と皆に馬鹿にされていたが、リーダーのグレンからチームに抜擢されるや一念発起「チキン野郎」の汚名返上のため、己のプライドを賭けて戦場に赴く。爆弾工作のエキスパートであったジョニーは、敵基地爆破の鍵を握る最重要ポストの責任を負うのだが、肝心の爆破の瞬間にミスを犯してしまった。なんとしたことか…製作した爆弾が爆発しない。チームは今まさに敵に包囲され、基地の爆破しか敵を攪乱する術は残されていない。もはや万事休すと思われたその時、ジョニーは魂の叫びを上げた「俺はチキンじゃない!」怒号と銃弾飛び交う戦場に丸腰で飛び出せば、当然敵の餌食だ。しかしジョニーは走った。仲間を救う為、何発もの銃弾を全身に浴びながらも死を覚悟して走った。爆弾の目前で力尽き、前のめりに倒れ込むジョニー。銃弾はまだ止まない。それでもジョニーは最後の力を振り絞り歩腹前進で爆弾に辿りつくと二本の回線を全霊を込めて繋ぎ直した…爆発の轟音!ジョニーは爆弾と共に散った、だがそれはプライドという男の生き様が爆発した瞬間であったのだ…

最終的に生きて戦場を出ることが出来たのはグレンとディックの2人だけ。二重スパイが発覚した『ヘルガ』(Margaret Lee) は『ミュラー』(Klaus Kinski) の指令のもと銃殺され、そのミュラーもまたグレン率いるアメリカ軍の前に敗北、戦死した。ジープで戦場を後にするグレンはディックに言う。「戦争とはこういうものなんだ。」Parolini 監督ならではのユーモア、アクション、そしてちょっとした風刺のエッセンスを込めた快作だった。いつの日か Parolini 監督が日本でも認められたら素晴らしい。

注釈:Luciano Rossi の死に様 sul Napoli violenta

民家での強盗中に現行犯逮捕されかけ逃走。ベッティ刑事に追われ、民家の玄関にある鉄柵をよじ登るが、乗り越える瞬間に、焦りから手を滑らせ、鉄柵の矢尻のような先端に、自身の喉を突き刺して死亡。無残な死骸が、まるで公開処刑のごとくぶら下がる。

ラテンの文化に根差したユーモア

原題と邦題が大きく違う。我が国では良くあることだが Parolini 監督の代表作が Ehi amico… c’è Sabata. Hai chiuso! だけあって、幼稚な日本の配給社が西部劇関連の邦題を付けたようだ。当然、作品内容と「戦場のガンマン」という邦題に一切の関連はない。しかも今作は Gianfranco Parolini 監督作品の中では大人しい部類。我が国、日本で公開されている彼の作品といえば Sabata 2作と、この「戦場のガンマン」そして Indio Black, sai che ti dico: Sei un gran figlio di…(邦題:大西部無頼列伝)Yeti – Il gigante del 20° secolo(これを知っているだけで Parolini 監督を騙る輩がほとんど)の5本。西部劇以外の傑作が知られていない監督ゆえ日本での知名度は低い。Parolini 監督の映画学校時代からの後輩である Giuliano Carnimeo 監督も然りなのだが…

はっきり言って、国内上映されていたイタリア大衆映画は偏っている。アメリカで評判の良かった作品、日本ですでに知名度のあった役者が出ている作品を優先し、コメディ色の強いものは避けられたきらいが見える。アメリカで評価されない作品は、日本でも評価されない、まさに天晴れ猿真似な我が国の映画事情である。

もちろん文化の違いは大きい。「笑い」の嗜好にも違いがある。海外の「笑い」のどこが面白いのか、などの言葉は何度も聞いてきた。Parolini 監督は生粋のラテンの笑い、バカ陽気な映画を撮っている。イタリアでも教養人気取りなどは見向きもしないが、一般大衆の為の「おおらか」なエンターテイメントを提供する映画を撮っているのだ。実際にラテン文化に触れる機会のあった人はともかくとしても、ラテン文化に根差したユーモアを全面に押し出した映画の面白みを、異文化圏の人々が「感じ取る」ことは難しい。ただ、アメリカのコメディで笑う日本人がなぜイタリア映画だと笑えないのだろうか。例えばイギリスのモンティ・パイソンのような「頭の笑い」でないと受け入れられないのだろうか。バカなことが恥ずかしいから拒絶するのだろうか。我が国では「優しい笑い」はとかく感じるとることが難しいようだ。

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