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Roma a mano armata

血に染まる Roma 衝突を繰り返すふたつの正義!

法を施行する警察が理想として掲げる正義、そして生きるため裏社会に身を投じたギャングが持つ現実の正義。父を奪った犯罪への復讐に燃えるタンツィ警部と、己を迫害した社会への報復を誓う、せむしのヴィンチェンツォ。民主主義的見地に立つ善と悪、双方を擁護・糾弾するでなく対等に描いた点がこの作品の深みだ。

Roma a mano armata

Amazon 维基百科 IMDb Pollanet Squad
  • Regia: Umberto Lenzi
  • Soggetto
    Storia: Umberto Lenzi
    Screenplay: Dardano Sacchetti
  • Fotografia: Federico Zanni
  • Musica: Franco Micalizzi
  • Produttore
    Mino Loy
    Luciano Martino
  • Interpreti
    Maurizio Merli … Commissario Leonardo Tanzi
    Tomas Milian … "Il Gobbo" Vincenzo Moretto
    Maria Rosaria Omaggio … Anna
    Ivan Rassimov … Tony Parenzo
    Giampiero Albertini … Francesco Caputo
    Stefano Patrizi … Stefano
    Corrado Solari … Albino
    Maria Rosaria Riuzzi … Paola
  • Anno / Durata: 1976 / 95 minuti
  • Produzione
    Dania Film
    Medusa Distribuzione
    National Cinematografica
  • Screen Captures © Pollanet Squad
  • Titolo
    Francese: Brigade spéciale (Rome à main armée)
    対訳:ローマ はびこる暴力

Cover on MIDI: Franco Micalizzi "Affanno"

大好きな曲。Yamaha XGworks を使った MIDI 音源で Cover しました。僕の技術でなんとか形になるよう Arrange を加えてます。

I personaggi

  • Commissario Tanzi

    Commissario Tanzi:警官であった父を奪った悪への怒りにより鬼と化す。

    いかなる凶悪犯の前にも決して尻込みをしない男、レオナルド・タンツィ。彼の父もまた警官であったが、強盗から市民を守ろうとし、凶弾に散った。個人的感情に流されやすいタンツィは、犯罪者に対し、その罪にそぐう正等な制裁を与える。例えそれが法を超越しようとも、悪への憎しみにより鬼と化したタンツィを止めることは出来ない。

  • Vincenzo Moretto

    Vincenzo Moretto:裏社会で暗躍する、最も狡猾かつ卑劣な男。

    暗躍する裏社会で「ローマのせむし男」の異名をとる、最も狡猾かつ卑劣な男、ヴィンチェンツォ・モレット。愛称はヴィンチェ。警察の拷問まがいの取調べを奇策で逃れた後、タンツィ暗殺を試むも失敗、報復に、その時使用した拳銃の弾を飲み込まされる。迫害を受けた社会と、タンツィへの憎しみを胸にヴィンチェは最後の反逆に打って出る。

  • Anna

    Anna:ローマ司法局に勤務すタンツィのフィアンセ。心労から離職する。

    タンツィのフィアンセであり、ローマ司法局に勤務する。アンナは世間知らずなお嬢様気質があり、強盗で逮捕された16歳の少年達を情状酌量するも、彼らは出所した次の日に再びバイクで強盗をし、逃走中に事故死した。その後、タンツィとの関係を知るヴィンチェンツォ一味に捕まり脅迫されるなど、心労が重なり仕事から一旦離れる。

La storia

社会の裏では麻薬の流布、大手銀行の襲撃、詐欺、窃盗を繰り返す男がいる。それがヴィンチェンツォ・モレットだ。タンツィ警部は多発する昨今の大規模な銀行強盗の主犯格として、この男に目星をつけた。精肉工場の前に止まるヴィンチェの高級スポーツカー、ブルーワーカークラスが簡単に買えるものとは思えない。事実、そのダッシュボードからヘロインの包みが発見された。ヴィンチェは工場で働いていたところを取り押さえられ、すぐさま連行される。

タンツィ警部による拷問まがいの取り調べは過酷を極めた。強烈なライトに照り付けられ、殴り飛ばされたヴィンチェは奇策を用いた。唐突に小便がしたいと申し出て、トイレの中で腕時計の鉄の止め具で、自ら手首を切ったのだ。署長はこの事件を重大視し、ヴィンチェを放免した。なぜなら、警察が取り調べ中、容疑者を殴打し、それがもとで自殺を図った…などということが明るみに出れば、署の威信が揺るぐ。署長は「マスコミの格好のえじきだ」と表現した。

そして、ヴィンチェの報復が始まった。タンツィの恋人アンナを自動車廃棄工場まで拉致し、脅迫。タンツィへの警告として、失神したアンナの手に拳銃の弾を握らせた。数時間後、通報を受けアンナ救出に向ったタンツィは、恋人の手に握られた弾丸を見て、怒りに身を震わせる。病院へ直行したアンナは、事件がトラウマとなり心を閉ざしてしまう。犯人の顔も「見ていない」とだけ繰り返すのだ。

犯人をヴィンチェンツォと断定する証拠を得るべく、深夜車を走らせるタンツィ。その頃、昼間に補導されたブルジョア青年(ステファノ・パトリッツィ)が、仲間と遊びまわっていた。この青年は雑踏のなかで老人に重度の怪我を負わせ、タンツィの部署に連行された。だが事件は故意でないと主張したうえ、過失であることすら認めず平然と自らの年齢にふさわしい法の適用と弁護士の要請だけを訴える。そして罪の意識もなく、両親の保釈金で出てきたのだ。青年は、その同日深夜、5人の友人を連れ、あるカップルの女性を暴行し、バーにてその犯行を祝していた。

被害者に偶然出会ったタンツィは犯行現場に落ちていた名刺を手掛かりにバーに急行した。青年達を見つけ犯人であることを確認すると迷わずぶちのめす。法でなく、人としての生き方が許せなかったのだ。辛くも車で逃走した青年2人だったが、追跡するタンツィを轢き殺そうと試みる。やむを得ず発砲したタンツィの銃弾により主犯の青年は頭を撃ち抜かれ絶命したのだった。

この事件が元で、タンツィは正当防衛だとしても、やりすぎだとして、署長から部署を一時外され、庶務課で書類整理をやる羽目になる。だがそれが幸いした。ある大手カーディーラーの最新の収支書類を発見したのだ。最近になり莫大な所得があったことが判明、さらにヴィンチェンツォとの共犯による前科歴を持っている。ヴィンチェの高級車を鑑みても、銀行襲撃のクロである公算が高い。そして失念より立ち直ったアンナは犯人の顔を思い出した、と告げた…タンツィは無断で、捜査を開始した。

同僚の親友カプート(ジャンピエーロ・アルベルティー二)の助力を得て、街のドラッグディーラー、トニー(イワン・ラシモフ)から情報を聞き出そうとするが逮捕直前でヴィンチェ一味により殺害され、一時捜査は暗礁に乗り上げたかに見えた。しかし、不可解な死体が発見され、その身元からすべての謎が解ける。死体の正体はヴィンチェを中心にしたマフィアの有力ドン達のひとりであったのだ。

仲間割れから脚がついたヴィンチェは警察に追われる。タンツィは停職を解かれ、カプートと一緒にヴィンチェを追詰める。重態の患者を乗せた救急車をジャックし、市民にマシンガンを乱射するヴィンチェ。警察を市民保護に掛からせるのが目的だ。警察が市民を誘導する時間で逃げおおせる。凶行の限りを尽し、己が生き延びるため他人の命を消費するヴィンチェンツォ。救急車に乗せられていた患者すら撃ち殺した。普段は温厚なカプートも、もはやヴィンチェンツォを悪魔としか見なさなかった。製紙工場の奥に潜んだヴィンチェを探し当てたタンツィとカプートは銃で威嚇する。

だが、ヴィンチェは警察が撃てないことを計算に入れていた。怒りにまかせ発砲しかけるカプートをタンツィが説得する「殺すな、逮捕するんだ!」しかし、ヴィンチェの銃がカプートを撃ち抜いた。親友を無残に殺されたタンツィは激昂する。激しい銃撃のなか、ヴィンチェは逃走を試みるが、その背をタンツィの怒りの銃弾が貫いた。そして、うらびれたガレージにローマのせむし男の死体が、虚ろな眼差しを見開いたまま残されたのだった。

Maurizio Merli

本作もまた Poliziesco(イタリア刑事映画)の Capolavoro のひとつであり Commissario Tanzi 初登場となる作品。演ずるはイタリア刑事の象徴 Maurizio Merli(マウリツィオ・メルリ)言わずと知れた、イタリア刑事映画における圧倒的かつ絶対的なカリスマ。

僕はこの作品で Maurizio Merli に初めて出会った。その衝撃は凄まじく、この作品で彼の印象が強く刻まれ Maurizio Merli が警部の時はいつも Commissario Tanzi として見てしまう。強い正義感と悪への怒り、そして何ごとにも負けないない不屈の精神と、英雄を絵に描いたような男がこの Tanzi なのだ。

物語の結末は恋人との別離、友人の死と多大な犠牲を払った上での Tanzi の勝利で締め括られている。Tanzi の役職 "Commissario" は、正確には「私服警官組の警視正」だ。ただ、印象的に警部もしくは刑事の呼称で良いと思う。

Commissario Tanzi e Betti

Commissario Tanzi は Il cinico, l’infame, il violento で活躍を継続。そして元祖と言える "Commissario Betti" が重要だ。以下が Tanzi と Betti の登場する作品の簡単なフィルモグラフィー。僕は悔しいことに未だ Italia a mano armata のみ未見なので、目下この作品を見る術を探している…念願叶い David Lavabre のおかげで見ることが出来ました!

Maurizio Merli - Commissario Betti (Roma Violenta)
Commissario Betti (Roma violenta)
Commissario Leonardo Tanzi Filmografia
1976: Roma a mano armata
1977: Il cinico, l’infame, il violento
Commissario Betti Filmografia
1975: Roma violenta
1976: Napoli violenta
1976: Italia a mano armata

Vincenzo Moretto

Vincenzo Marazzi
Vincenzo Marazzi (La banda del gobbo)

Tomas Milian が演じるのは "Il Gobbo" ローマのせむし男こと Vincenzo Moretto だ。こちらも本作で初登場。Tanzi と Vincenzo は、その強烈な個性が受け各々続編となる作品が生まれた。Il Gobbo は La banda del gobbo で主役となった。ただ Vincenzo だけは、なぜか Vincenzo "Marazzi" と名字が変更されている。

Altri attori

Tanzi の恋人役の Maria Rosaria Omaggio は Tomas Milian の Nico Giraldi シリーズ初回作である Squadra antiscippo にも出演。刑事映画には出演が比較的多い 70s を代表する美女優のひとりだ。Luciano Catenacci は Bud e Terence 作品にも多数出演しており、名は知らずとも顔は誰でも知っている名悪役。Luciano Pigozzi は西部劇から継続するように、定番の小悪党役で刑事映画にも多数出演している。

Il commentario

本作は、監督である Umberto Lenzi 自身による脚本を、後年 Lucio Fulci 監督とのコンビで評価を世界的にした Dardano Sacchetti が Screenplay に落とし込んでいる。

Umberto Lenzi は間違いなく刑事映画の第一人者。カーチェイスの演出、音楽の挿入所、人物描写、話のテンポ、セリフまわしなど全てにおいて他の監督とは一線を画す。このジャンルの立役者といっても過言ではないだけに Cannibal 作品の元祖はどちらか…などで Ruggero Deodato 監督と争わずに、こうした素晴らしい刑事映画の監督であることを主張してもらいたい。

劇伴は Poliziesco の決定的作曲家 Franco Micalizzi による名曲中の名曲が揃う。Franco Micalizzi は、日本では Lo chiamavano Trinità… で馴染みかと思う。また Chi sei? の劇伴も知られているかも知れない。

【余談】Quelli dela caribro 38

Ivan Rassimov - Quelli dela caribro 38Cite: Quelli della calibro 38 – Wikipedia

Massimo Dallamano 監督の Quelli della Calibro 38 は日本ではテレビ公開のみとなっている。邦題「復讐警部・白昼の凶悪爆弾魔」原題訳は「38口径の男達」である。なぜ突然、この作品なのか?というと Roma a mano armata で街一番のやくざもの Tony を務めた Ivan Rassimov がマフィアのドンとして出演しているので思い出したのだ。Marcel Bozzuffi 演ずる Commissario Vanni(ヴァニィ警部)と対峙する。

映画自体は硬く、遊びのない大人の作品。ただ筋書きが平凡な印象が強い。しかし、劇伴は Stelvio Cipriani でこの映画は音楽だけで見れるほど、その楽曲の質が高い。

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