Heijastin

Striker

己の手を汚さぬ政治家、闘鶏の如き戦いを強いられる兵士たち…最強の傭兵 John Slade の怒りが沸点に達する!

80年代末のニカラグアを舞台に、冷戦下の米国に強烈な NO! を叩きつける。Enzo G. Castellari 監督 Tito Carpi, Umberto Lenzi 脚本、巨匠同士が手を組み、カメラは Spaghetti Western の名作を数多く手掛けた Sandro Mancori である。そこらのアクション映画より断然熱い!

Striker

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闘鶏は John Slade 自身の Metaphor「俺は暴力はきらいだ。」冷戦下の米国の陰謀を John Slade がぶち破る!

主人公 "John Slade" (Frank Zagarino) は戦争のプロ。戦に際しては1人で30人を相手に完全な勝利を収める屈強な若者だ。コンドームに "Fuck off" と落書きして敵を兆発するユーモアも兼ね備えている。終盤のスパートは特筆もの。

闘鶏とは John Slade 自身の Metaphor なのだ。この作品は "John Slade" の過激な戦いと米国の裏の実態を描いたヴァイオレンス・ロマンである。冒頭は闘鶏で始まり、結末は主人公の「俺は暴力はきらいだ。」のセリフで締め括る。闘鶏とは "John Slade" 自身の Metaphor なのだ。まるで闘鶏の鶏のように戦いを無理強いされ、その戦いで自分の手を汚さずに金を儲けている奴がいる。そして、それを見て喜ぶ奴らがいる。この Striker という作品は、実は当時の冷戦の裏に見え隠れした軍事工作をニヒルに斬った奥深い作品なのである。

Spaghetti Western, Poliziesco の血脈を継ぐ Post Rambo の傑作

Striker
Picture from Japanese VHS back cover

この作品は、無数に製作された Post Rambo 作品群のひとつながら、その他大勢とは訳が違う。監督が巨匠 Enzo G. Castellari だけに、カメラにはウェスタンの名作を多く手掛けた Sandro Mancori 更に脚本には Cstellari 監督の盟友 Tito Carpi に加え、もう一人の巨匠 Umberto Lenzi という錚々たる面子が集っている。さらに役者も新進気鋭からベテラン名優まで揃っており、アクションも気持ち良い。見終えた後に充実感があり、ふと落ち込んだ時、勇気と正義をくれる。そこらのアクションより断然熱い!

John Phillip Law versus John Steiner

この作品はひとえに John Steiner の為にある。どこを切っても John Steiner だ。あのロシア訛りの英語は凄い。異常に切れてるし、巻き舌だし John Steiner のイメージが色々な意味で変わってしまう作品。彼ならではの細かい演技に加え、過激なロシア人気質を持ったこの役所を演じ切ったことで、その人気とカリスマはもはや世界を制したといっても過言ではない。もし Mario Bava が生きていてこれを見たら、まさに Shock だろう。John Steiner の弾けっぷりは「I cacciatori del cobra d’oro」でも堪能出来る。

最大の見所はやはり Diabolik こと John Phillip Law と John Steiner の対決。John Phillip Law 演ずる脱軍人のジャーナリスト "Frank Morris" はニカラグア(この作品で初めて、その存在を知りました…勉強になる!)という中南米の小国の内戦に関わる軍事機密を調査しに密入国するもニカラグアの米国からの独立戦争を支持する John Steiner 演ずる、ロシアの軍曹 "Kariasin" にスパイ容疑で逮捕され、尋問される。そして、軍曹の度重なる利己的な発言に激怒した "Frank Morris" は軍曹にむけ思い切り唾を吐きかけた。報復された軍曹はその罰として "Frank Morris" に葉巻で焼きをいれる

とにかく2人とも "Fuck", "Sun of a bitch" を連発するこのシーンは往年のファンにとって必ずや心苦しいものであるに違いない。しかも John Phillip Law は作品の後半ではあるが死んでしまう。思わず「それはダメだろう。」と言わずにいられなかった。

Werner Pochath の演技に気迫が滾ると、演じているキャラクターが強くなる法則

Werner Pochath(Julia Fursich の変名でクレジット) がまた良い役回りで、相変わらず卑劣だ。主人公のパートナーの美女 (Melonee Rodgers) を階段から突き落とし、主人公が別の敵に拘束されていることを良いことに、彼女をショットガンで撃ちまくる。なぜか以前は無敵であった主人公もこの時だけは相手がたった1人にも関わらず限りなくてこずり、あえなくパートナーを見殺しにしてしまう。人生とは無常だ。Werner Pochath の気迫は Nato per combatter でさらに漲る。

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Kazu Spara in 25 May 2017
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