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盲探

心の盲目。

目を閉じるより暗い、心の闇が吹き出す。満たされぬ欲望、執着によって「心が盲目」になった人間が引き起こす猟奇事件を、盲目の探偵が「心の目を開いた推理」で解決。七つの大罪で言う「強欲」と「嫉妬」を、いわば新即物主義的な表現で冷徹に抉り出す。

盲探

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  • 導演:杜琪峰
  • 編劇:韋家輝/游乃海/陳偉斌/余曦
  • 動作設計:易天雄
  • 監製:杜琪峰/韋家輝/陳錫康/利雅博/林炳坤/韓曉黎
  • 攝影:鄭兆強/陶鴻武
  • 配樂:Hal Foxton Beckett
  • 領銜主演
    劉德華 … 莊士敦
    鄭秀文 … 何家彤
  • 主演
    郎月婷 … 李小敏
    郭濤 … 司徒法寶
    黃文慧 … 李小敏外婆
    高圓圓 … 丁丁
    林雪 … 李得胜
    秦煌 … 肥佬
    徐志雄 … 德仔
    丁家湘 … 裘叔
  • 出品
    寰亞電影
    銀河映像
    英皇影業
    銀都機構
    中國電影股份
  • 日期:2013年07月04日
  • 片長:129分
  • 日本版
    名探偵ゴッド・アイ
    Paramount Japan 2015年04月28日 DVD
  • English title: Blind Detective

目は見えないが見える、目が見えるのに見えない。

鄭秀文《Love is Love》2013
鄭秀文《Love is Love》2013

懸疑片という Wire flame を超越した、他に類を見ぬ独自性の塊。綿密に練りこまれた意外性溢れる Plot を備えた「芸術性」溢れる作品。2007年の《神探》の延長線上にある「新即物主義」的な表現手法で、人の「心の盲目」を冷徹に抉り出す。主題曲〈盲愛〉は鄭秀文の通算35枚目となる粵語專輯 "Love is Love" に収録。僕は上海にて入手。

心の目で事件を解決する、盲目の探偵『莊士敦』と、捜査の依頼主であり、また相棒となる『何家彤』が猟奇事件解決に臨む。2014年現在、華仔鄭秀文の最新作。恋愛喜劇の定番的名作《孤男寡女》そして《痩身男女》といった空前のヒット作を連発した名コンビと杜琪峰班が、とてつもなく深刻な猜疑片を世に送り出した。

華仔&鄭秀文の呼吸は、やはり抜群。本作では Buddy cop film の様相。喜劇的要素を多分に含みながらも「精神的恐怖」を喚起する展開が連続。病んだ心、精神に異常をきたした人間が続々と登場し、作品の色彩は沈鬱。映像の Tone も重い。喜劇的要素の Contrast は鈍く、むしろ Cynical に映る。

創造された映像世界は、色濃い現実となって、重く迫ってくる。動作要素は僅少。華仔は『莊士敦』の設定上、大胆に行動することは出来ない。その分、鄭秀文の演じる『何家彤』が動き回るのだが、超人的行動はなく、あくまで常識の枠内における行動を取る。

聖人君子ではない主人公、説教臭さや非現実的な神性はない。

興味深いことに、主人公『莊士敦』には「傲慢」と「貪食」という欠点が付与されている。そのため、聖人君子が他者の欠点を暴く、という説教的な堅苦しさや非現実的な神性はない。その分、痛快に感じる場面や、勧善懲悪が生む Catharsis もない。全般に Entertainment ではなく Reality に寄せた演出となっている。それだけに、視聴者が作品に没頭すればするほど、視聴者自身が悪夢の中に置かれているような状況となる。

強欲と嫉妬が果てることはない…

終盤における「血溜りに浸った妊婦の出産と絶命」という地獄絵図「殺人直後の人間が、新たな命を生む」という構図には、二律背反する生と死の「気持ちの悪い密着感」があり、出口のない迷路のような底冷えする恐怖を煽られる。しかし、己の命よりも、生まれてくる命を案ずる『莊士敦』の姿に一抹の救いがある。断罪する側と断罪される側、その違いは「愛の質」にある。過度の自愛は狂気を生むが、例え僅かでも「他者への愛」は救いを生むからだ。

『莊士敦』が心の目で推理する状態が続く限り、猟奇犯罪も続く…

作品鑑賞後「欝」とした気分になった。終幕は晴れ晴れとしているが、言いようのない不安が残った。その原因は Epilogue においても『莊士敦』が盲目から回復していないこと。

「心の目で推理する」という Scheme は「心が盲目の人間による犯罪」との対比である。つまり『莊士敦』が心の目で推理する状態が続く限り、猟奇犯罪も続く、という暗示ではないだろうか。そして『小敏』の娘は、あの家系の遺伝子を継いでいるのだ。確かに、現実世界において「強欲」と「嫉妬」が果てることはない…

杜琪峰導演は、僕の大好きな《開心鬼撞鬼》の執行導演も行っている。多彩な類型を監督しており、その濃密な電影人生が演出の奥深さを生み出すに違いない。この《盲探》は、僕の「不惑」の誕生日である、2013年12月07日に日本劇場公開された作品ということで因果を覚える。僕も「心の目」で現実を見つめていたい。

高圓圓の出演について

ほとんど客演と呼べる程度の出番であることは残念だが、撮影当時の高圓圓は35歳であり「絶世の美女」の美貌にも、演技にも、更なる磨きがかかっている。この作品で唯一、素直に笑えたのは、高圓圓の演じる『丁丁』が『莊士敦』に結婚の真実を告げる場面だった。『丁丁』の天然っぷりと、絶望する『莊士敦』が面白すぎる!

I always appreciate Paramount Pictures!

《盲探》日版DVD
《盲探》日版DVD

Paramount Japan delivered a great version. Unfortunately, this film was released only in DVD format despite some other films have DVD and Blu-ray format simultaneously. However, the quality of this DVD is enough satisfying.

  • Digitally remastered. The great quality of Audiovisual.
  • A great product price. About HK$70, €8, US$9. General price of a non-remastered 4:3 aspect ratio screen DVD in Japan is around HK$350, €40, US$45.
  • The good subtitles.
  • A good cover design. The original title is visibly featured. A falsified Japanese title is almost ignored.

I’m impressed that they are featuring the original Cantonese title the most on the DVD cover. In fact, the average Japanese can understand the original title. Instead, a few Japanese can recognize English. Japanese fake title is: Great detective God Eye. We have to forget it ever existed and thankfully, it’s ignored.

The fairness of Paramount Pictures

Paramount Pictures is incomparable from the other distributors. Paramount Pictures controls well Japanese and doesn’t allow a fake. It must be done for the consumers.

Japanese film distributors are generally non-professional. Furthermore, they falsify the package and swindle the customers. The originator must carefully watch them and strictly control them.

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