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獨臂刀

張徹の演出と王羽の演技こそ至高の奥義!

「天皇巨星」の二つ名を持つ伝説の名優、王羽が体現する、仁義と愛に満ちた主人公『方剛』の強く、激しい眼差しを見よ!巨星、張徹が生み出した、新たなる武俠の潮流。アジア圏のみならず、欧米の映画人にも絶大な影響と衝撃を与えた傑作の数々…その嚆矢である《獨臂刀》は世界映画史に残る傑作だ。

獨臂刀

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  • 導演:張徹
  • 編劇:張徹/倪匡
  • 動作設計:劉家良/唐佳
  • 監製:邵仁枚
  • 攝影:阮曾三/鄺漢樂
  • 配樂:王福齡
  • 領銜主演
    王羽 … 方剛
    焦姣 … 小蠻
    田豐 … 齊如風
    潘迎紫 … 齊佩
  • 主演
    楊志卿 … 長臂神魔
    陳燕燕 … 齊夫人
    黃宗迅 … 魏師兄
    樊梅生 … 郭師弟
    谷峰 …方成
    劉家良 … 巴雙
    劉家榮
    袁和平
    袁祥仁
  • 出品:邵氏兄弟
  • 日期:1967年07月26日
  • 片長:115分
  • 日本版
    片腕必殺剣
    Paramount Japan 2013年09月13日 Blu-ray
  • English title: One-Armed Swordsman

重く、深く、胸に突き刺さる「男の生き様」がここにある。

想像力を激しく刺激する、比類なき独創性。作品が始まって、ものの数秒で王羽の演技に惹き込まれる。老若男女を問わず、主人公『方剛』に思い切り感情移入してしまうはずだ。孤高の高貴を纏う王羽の凛々しさは、方剛の生き様に甚大なる説得力を加える。

方剛とは「一点の曇りもない男」である。それゆえに、誰もが思うはずだ…師父『齊如風』貴様がすべて悪い!どうすれば、あのような人非人の娘が育つのか!?非道の限りを尽くす愛娘『齊佩』そして性根の腐りきった二名の内弟子。武術家の風上にも置けぬ野党そのものの地獄行きの連中である。「ただ強いだけでは認めぬ。」と吐いたのはどこのどいつだ!しかし、強いどころか『長臂神魔』の弟子に、手も脚も出ず惨殺されてしまう弟子達…齊如風はこいつらに一体何を教えていたのか!?

武術家からの引退を決意していた齊如風は、確かに老いていたのだろう。しかし、この男の「怠慢」により、方剛は父を失い、右腕まで失うことになったのだ…許せぬ、齊如風だけは断じて許せぬ!「齊佩を切り捨てろ!」と憤ったのは僕だけではあるまい。しかし!方剛という誇り高き武人は、仁義を尽くし、そのすべて受け止めたのだ…この男の気高さは永遠に輝き続ける!

ひとりの女性に人生を狂わされ、ひとりの女性に人生を救われる…男に宿命を与えるのは常に女性。

潘迎紫
潘迎紫

悪女、齊佩は凄まじいばかりの美少女。この娘に惚れられたがため、方剛は兄弟子から妬まれ、また恋心に応えなかったことで齊佩自身からも逆恨みされる。そして齊佩の逆上により過酷な運命を背負わされた方剛は、武術家としての生を絶たれ、人生に絶望する。

しかし『小蛮』という女性が、方剛に新たなる生を与えた。運命的な出会いである。小蛮が漕いでいた船に突然、片腕を失くした血だるまの男が、橋の上から降って来たのだ。異常事態への恐怖もあれば、この男がヤクザもので、関われば自分も争いに巻き込まれるのでは?という危惧もあったはず。しかし、彼女は素性のわからぬ傷ついた男を村医者の元へ運び、さらに自宅にて療養させ、一週間もの間、看病し続けた。

方剛が、いかに色男であったとしても不自由な身に陥ったばかりである。一目惚れ程度の感情で面倒が見れるものではない。しばらくは苦労が続くであろう。それをわかった上で、彼女は、傷つき果てた男に「無償の愛」を注いだのである…果てし無き「慈愛」である。「齊佩の怨念」なくして悲劇は生まれず、また「小蛮の慈愛」なくして英雄は生まれなかった。男に宿命を与えるのは常に女性。僕はこれぞ《獨臂刀》の隠れた主題だと思うのだ。

影圏美女孩の系統

香港電影にある「男の美学」と並び、僕を虜にしているのは、なんと言っても「常軌を逸するほどの美しさ」を誇る女優陣。恐るべき美女たち!本作にて潘迎紫を見た時、影圏における典型的な美女孩の系統が見えた気がした。70年代は潘迎紫。80年代は李賽鳳。90年代は張栢芝…なんとなくわかっていただけるだろうか?

僕は香港電影ファンの駆け出しなので、見るべき作品の的が絞れない。目下は1960年代〜2000年代の作品で、気になるものから無造作に見ている。年代は古くなったり、新しくなったりするが、どの年代の作品も「斬新」「独創的」であることに驚きを隠せない。そして常に美女が出演しているのだ。60年代後半から70年代前半は、潘迎紫の出演作を追ってみたい。しかし、大物ながら電視劇主体の女優なので日本公開作が少ない…

Paramount Japan に感謝!王羽主演作は日本版 Blu-ray で押さえるべし。

《直搗黃龍》日版DVD
王羽/鄭嘉時《直搗黃龍》1975

本作には正当続編《獨臂刀王》がある。Blu-ray はもちろん購入済み。胸の高なりを抑えつつ、週末に「じっくり」鑑賞する時間を待っている状態だ。王羽主演の伝説的名作の数々は出来るだけ良い画質で鑑賞したい、それが現実となった時代である!

Blu-ray の高画質・高音質が各¥3,000以下の安価で入手出来る。Paramount Japan は映画ファンを大切にする優良企業の鏡、素敵過ぎる、もう褒め言葉しか出ない!

現時点では、王羽主演作の日本版 Blu-ray は以下4作。僕は当然、すべて購入した。原版の音声は普通話。粵語のものは吹き替え版。

  1. 1967《獨臂刀》片腕必殺剣
  2. 1968《金燕子》大女侠※鄭佩佩(金燕子)との合演。
  3. 1969《獨臂刀王続・片腕必殺剣
  4. 1967《龍虎鬥吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー

映像ソフトは、時期を逃すと入手困難となる可能性を常に孕んでいる。ブローカーにプレミアとは名ばかりの足元を見られた価格を付けられる前に押えるべし!これは僕が Cinema Italiano から得た経験則。もっとも、王羽主演作は世界的名作の評価がある。Blu-ray を超える新たなメディア形式が生まれる度に Reformat され販売されるだろう。神経質にならずとも良いかも知れない。

また DVD 版のみだが、1975年の《直搗黃龍》(スカイ・ハイ)も Release されている。もちろん僕は購入済み。香港・豪州合作であり、一部場面(超危険スタントの数々だろう)を王羽が監督している。$1 = 360円であった時代、米国では放映権が20万ドルで売買され、欧州では公開前にも関わらず放映権が50万ドルであったという。ちなみに英題は Man from Hong Kong だが、王羽自身は台湾人。意外とごっちゃにされてたりする。

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