Heijastin

Viva Semplice!

これは素晴らしいぞ!

Italia で開発されている sid 系 "Semplice" は完成度抜群。最小主義志向の Openbox + Tint2 によるスムーズな挙動と超高速起動に加え、独自機能により Openbox の使い勝手を大きく向上させている。Rolling Release 形式なので Upgrade の手間もない。

良く行く Cafe に Semplice を持ち込もう。

Semplice 5.1 on VirtualBox
Semplice 5.1 on VirtualBox

Semplice は僕の大好きな国 Italia の Distro だ。英単語では Simple となる名前の通り Openbox + Tin2 による、無駄を削ぎ落した「実用本位」が特徴。それでいて、飛び抜けて洒落たデザインなのが Italia ならでは。もちろん、システム面もユーザーへの配慮に溢れた、とても丁寧な作りになっている。

Openbox は Desktop Environment ではなく LXDE にも採用されている Window Manager 単体だ。これだけで充分に使えるのが凄いところ。機能が最小限に抑えられているのでバッテリー負担が軽く Keyboard 操作主体のため Laptop 系機器に最適。電源管理には Xfce Power Manager が用意されており Wi-Fi 接続は Network Manager で行える。

Semplice のここが良い!

  • 環境:Debian sid / Grub2 + LightDM / Openbox + Tint2
  • Rolling Release 形式(Version が上がっても OS の上書き・再インストール不要)
  • 独自の Openbox 各種拡張機能及び Composite Manager 設定ツール
  • 独自の洗練された Dark 系を含む Themes と洒落た Background
  • 日本語入力には iBus or Fcitx + Mozc が使用可能
  • 初期状態の総容量は 2.5GB 以上 3GB 未満
  • Boot が異様に速い

Debian sid based

Semplice は Debian sid を基盤に開発されている sid 系 Distro だ。まったく同じ構成の CrunchBang と比較することが出来るだろう。Semplice は初心者ユーザーを対象としており、システム面から外観まで User Friendly なので取っ付き易い。なにせ独自の設定ツールが諸々用意されているのだ。初心者向け、は単なる謳い文句ではなく Ubuntu のように本気度が高いもの。開発陣の技術は高い。

システム設定用の独自 GUI ツールを数多く装備

Openbox そのままだと、ほとんどの個人設定をファイルの直接編集で行うことになるが Semplice には、システム設定から Backgroud 変更まで多岐に及ぶ種類の独自 GUI ツールが用意されている。初めてのユーザーでも、マニュアルを参照することなく Openbox 環境を使い始めることが出来るのだ。僕は Eee PC 1015PD で Openbox を使っている(現在は Arch Linux 上で)が、もっと早く Semplice を知っていれば…と思ってしまった。

Semplice の Installation 過程

僕は VirtualBox にて Semplice 5.1 を試用した。まず驚いたのは Installer の完成度。Ubuntu のように各項目が Click していくだけで進められるし Install 工程で Cups などが取捨選択出来るのは便利だ。UI が洗練されていて操作に迷うことがないし、専門用語の使用も控え目なので Linux 初心者でも困ることはないはずだ。

各種 Feature の取捨選択

Semplice 5.1 Feature selection
Semplice 5.1 Feature selection

これが非常に気が利いている。環境によっては無用の長物となる Printer と Office 関連が取捨選択可能なのは素晴らしい。Debian 精神に則り Proprietary を排除することも可能になっている。シビアな Resources 確保を要求されないのであれば Visual Effects を On にする方が雰囲気は良くなる。

Mirror Server の選択

Semplice 5.1 Mirror selection
Semplice 5.1 Mirror selection

通信速度の向上が最も期待される Mirror Server を選択するか否か、という項目。"Yes, check fot the fastest mirror." を有効化すると JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)を自動選択してくれる。これも気の利いた機能だ。しかし apt-get update してみると、接続が軒並み Timeout となった。もっとも試験版である sid だけに配布対応の優先度が低くて当然。なので、この項目にチェックをせず、つまり自動選択は行わず、規定の Mirror Server のままにしておく方が安定するだろう。通信速度も神経質になる程ではない。

Installation 完了

Semplice 5.1 Installation Completed
Semplice 5.1 Installation Completed

Live 時にもびっくりしたのだが Semplice では Menu の各項目にアイコンが表示される。Semplice の独自拡張だ。これまた素晴らしい。アイコンが付くだけで Openbox の雰囲気が随分と変わる。テキストのみの状態より直感的に内容が想像出来るし、印象も明るい。

最初にシステムの更新

Semplice 5.1 の Release Date は、2013年09月08日となっている。現在は2013年12月02日なので、最初に dist-upgrade を行うべきだ。Distro 自体が徹底的にシンプルな構成なので、更新すべき Pcakages も決して多くない。Upgrade 完了までは15分間程度。

# apt-get update && apt-get dist-upgrade

Paranoid: Visual Effects 設定ツール

Semplice 5.1 Paranoid
Semplice 5.1 Paranoid

Paranoid は Semplice 独自のツール。Openbox と組み合わせることの多い Compositing Window Manager である Compton の設定を GUI から行うことが出来るのだ。細かな Effect 設定だけでなく Compton そのものをワンクリックで On/Off 出来る。これは便利だ!

サービスの設定

Semplice 5.1 Service settings
Semplice 5.1 Service settings

こちらも Semplice 独自ツール。各種 Daemons を管理出来る。Semplice は初期状態からリソース消費を最小限に抑える状態に調整されているので、特にいじる必要はない。同様の GUI ツールには BUM (Boot-Up Manager) がある。

Softwares の追加・削除

GUI の管理ツールとして定番の Synaptic が用意されているが、最初はさっぱり訳がわからないだろう。各 Packages の名前と内容は覚えるしかない。Debian に馴れて来たら Terminal で操作する方が便利だ。APT については「APT でパッケージの管理をする」参照のこと。

日本語入力 Fcitx-mozc の利用

Openbox は GTK 系なので iBus-mozc の方が相性は良い。あえて Fcitx を利用するなら、以下の Packages が必要となる。一部は依存関係でまとめて導入出来るが Packages に過不足がないか確認する方が良い。なお、僕の場合は 32-bit 環境。

fcitx
fcitx-bin
fcitx-config-common
fcitx-config-gtk2
fcitx-data
fcitx-frontend-all
fcitx-frontend-gtk2:i386
fcitx-frontend-gtk3:i386
fcitx-frontend-qt4:i386
fcitx-frontend-qt5:i386
fcitx-libs:i386
fcitx-libs-gclient:i386
fcitx-libs-qt:i386
fcitx-libs-qt5:i386
fcitx-module-dbus
fcitx-module-x11
fcitx-modules
fcitx-mozc:i386
fcitx-tools
fcitx-ui-classic
fcitx-ui-light

続いて im-config を導入。Terminal から im-config と打ち込めば GUI の設定画面が開くので「明示的にユーザー設定を選択しますか?」の画面で OK を押して進み fcitx を有効化する。

$ sudo apt-get instlal im-config

最後に ~/.profile に Export 記述を施せば終わり。基本は iBus と同じだが Fcitx は自動起動するのと Qt Applications に対しては Export が不要という Advantage がある。

$ vi ~/.profile
export XMODIFIERS="@im=fcitx"
export GTK_IM_MODULE="fcitx"

Openbox はすぐ使える

日本語入力が整えば、もう特別作業することはない。気になるところでは Vim がないので、これだけは追加しておくと良いだろう。Openbox の操作で覚えておきたいのは以下の2つくらい。

  • Workspace の移動:Alt + Ctrl + → or ←
  • Active Window を次(前)の Workspace に移動:Alt + Shift + → or ←

とにかく画面上で右クリックすれば、各種機能にアクセス出来る。単純至極な作りなのでユーザーが迷うような選択がまったくない。機能を拡張したい時には Openbox 公式サイトから情報が得られる。

VirtualBox で利用する場合

Guest Addition を追加するには Linux Headers が必要となる。Version の異なる複数の Packages が存在しているので、自分の利用している Kernel Version を uname で調べるか dpkg –get-selectioins で Image から引き当てる。後は Guest Addition を Mount して、直接 Script を実行すれば良い。

$ uname -a
$ dpkg --get-selections | grep linux-image
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