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Chakra 2013.03 Benz Review

64-bit 限定の高級志向。

他に先駆けて KDE SC 4.10 をリリースした Arch Linux 基盤のドイツ産 Chakra 最新版に興味を惹かれ、いつものように VirtualBox で試してみた。"Benz" という Code name に相応しい完成度。同じ Arch Linux 派生ながら 32-bit 限定の KahelOS とは良くも悪くも好対照だ。

KDE 4.10 搭載の Chakra "Benz" が放つ高級感

Chakra 2013.03 Benz
Chakra 2013.03 Benz

今月より配布が開始された最新版 Chakra は、外観に磨きをかけつつ、無駄な要素を削ぎ落とし「質実剛健」となった印象。挙動には若干、重さを感じるが、高級感漂う外観と Arch Linux の特徴である Pacman の高速処理のおかげで、総合的な満足度は「すこぶる」高い。高性能な Desktop, Laptop でなら主役に抜擢出来る。

Installer

Chakra 2013.03 Benz - Tribe
Tribe

Chakra の Installer "Tribe" の完成度は高い。なにより、この見栄えの良さは「期待感」を煽られる。それって非常に大事なことだと思うのだ。OS 導入作業は初心者でも気負うことなく進められるかと思う。しかし Partitions 設定及び Format には、多少の知識と経験が要求される。Ubuntu のような全自動設定があっても良い。

Live 環境から fdisk を使いたい

Chakra や Aptosid 導入時に困るのが Partitions 設定。僕は KDE Partition Manager などの GUI ツールは複雑すぎて使えない。なので、事前の fdisk が必須。しかし Chakra の Live 環境で sudo を行うと Password を問われた。調べたところ、解答は以下…なぜに認証が必要?

Sudo password: live
Root password: root
参照:chakra root password (Page 1) / Informations and News / The Chakra Project – Forums

First login

Chakra 2013.03 Benz - Customize Your Desktop
Customize Your Desktop

初回起動時には OS を個人化するための設定項目が表示される。外観を決定したり Firewall, ClamAV の導入などが行えるのだ。これは気が利いている。将来的に IM 設定も追加されれば、なお良い。

英語表示に切り替える

Chakra 導入直後は Installer の Locale 設定の都合上、日本語環境になっているはず。Arch Linux 派生の場合、英語環境に切り替えるには以下を編集する。

sudo vi /etc/locale.conf

Qt 系は System Settings で利用者個別に言語切り替えが可能。Softwares を英語表示にしつつ「曜日や通貨単位は日本語表示」といった自由がある。しかし GTK 系には言語切り替え機能が存在しない。Locale が米国なら、すべてが英語になる。Qt 北欧(個性重視)と GTK 米国(全球化志向)の見事な違い。

参照:Locale – The Chakra Project

Caledonia & Dharma

Plasma theme Caledonia と KDM theme Dharma はスペインの Malcer 氏が制作。deviantART にて Icon set なども公開しているのでチェックしてみると良い。Dharma は Chakra 専用だ(Logo が気にならなければ、もちろん他所でも使える)が Caledonia は Chakra と特別に紐づいてはいない。僕は主環境の Gentoo/KDE で使っている。

Chakra Community Repo

CCR は、いわば Chakra 専用 yaourt だ。ここで配布していない Softwares については、本家 の Repo または yaourt を使えば良い。注意すべきは Package の重複。例えば Mozilla Firefox の CCR 版、本家版、そして yaourt 版の3種が見つかったとする。この場合 CCR を優先的に利用すべきだろう。極力 CCR からの Package で統一し、他の Repo からの Package と混ぜない方が安定すると思う。

Bandle Manager

高需要の Softwares を 1-Click install 可能な "Bandle Manager" という道具も用意されている。pacman -Ss 分の手間が省ける。現在、最も需要がありそうな Google Chrome は、冠詞を抜いた Chrome 名義で Stable, Dev どちらも用意されている。

KWin Menubar Style

Menubar Style
Menubar Style

KDE 4.10 での大きな操作性改善が appmenu-qt による "KWin Menubar Style" だ。各 KDE Apps の Menu を Firefox のような「収納型」などにすることが出来る。"Top Screen Menubar" は Macintosh の方式。合理的かつ省空間で、これは昔から好きだ。Linux でこの方式が使えるようになったのは、素直に嬉しい。

sudo pacman -S appmenu-qt

appmenu-qt を導入後に Logout > login すれば、この機能が使える。設定は System Settings > Application Appearance > Style > Fine Tuning と辿る。

Fcitx での日本語入力

Arch Linux 派生での日本語入力には、最新 IM "Fcitx" を利用する。完成度は遂に iBus を超えた印象があり KDE 環境との相性も良い。僕は主環境 Gentoo/KDE でも Fcitx 乗り換えに踏み切った。なお Fcitx の設定詳細については ArchWiki より Gentoo Wiki の方が丁寧なので、こちらを参照すると良い。Arch において iBus は1年ほど前より Main Stream から外されており ibus-mozc は Repo 追加による yaourt 経由でしか入手不可能。しかも Chakra-2013.03 Benz では動作しなかった。

Fcitx の導入

必要パッケージは fcitx, fcitx-mozc のみ。iBus は Fedora 発祥なので Gnome/GTK 環境が優先。故に KDE/Qt 環境では追加パッケージ ibus-qt や Qtconfig の IM 設定が要求された。Fcitx は、どちらの環境においても追加作業を要求しない。少なくとも Gentoo では qt4, gtk, gtk3 すべて USE Flag で管理可能だし Arch Linux では fcitx-qt4 が依存パッケージとなっている。さらに Fcitx ならインストールするだけでログイン時に自動起動する。もちろん Gentoo では USE Flag "autostart" で自動起動を管理可能。

sudo pacman fcitx fcitx-mozc

Fcitx は iBus よりも「ずっと」洗練されている…が、これでやっと「普通になった」と言うべき。アジア圏の平均的な Windows, Macintosh ユーザーが「IM を強く意識する」機会なんてないだろう。FEP 時代の感覚が残留しているなんて悪夢でしかないのだ。

GTK Apps 用の設定

GTK Apps で日本語入力を行うには ~/.xprofle などに以下のように記載しておけば良い。

export XMODIFIERS="@im=fcitx"
export GTK_IM_MODULE="fcitx"

kcm-fcitx を利用する

KDE 環境用の Fcitx の設定ツール。Notification Area のアイコンをクリックして表示するメニューにも「設定」項目はあるが、こちらは .conf の直接編集となる。Fcitx はカスタマイズ可能な項目が多岐に渡っており、非常に煩雑だ。GUI ツールの kcm-fcitx を用いれば、各項目が区分けされるので設定が随分と楽になる。

sudo pacman -S kcm-fcitx

Fcitx は中国語圏ユーザー主導のプロジェクトなので Pinyin などの基本 IM が Built-in されている。日本語入力のみを用いるなら、他の IM のチェックは外しておくと良いだろう。

Kimpanel を利用する

Kimpanel は KDE + Fcitx 環境なら必須導入すべき。iBus のような追加設定は不要。Kimpanel を表示するだけで Fcitx が自動で Kimpanel 版に切り替わる。iBus では動作しなかった「ツール」などの各種ボタンも Fcitx との連携でならすべて動作する。

sudo pacman -S kdeplasma-addons-applets-kimpanel

ibus-mozc を試すには

先述の通り、僕の環境における Chakra では動作しなかった。それに KDE 環境では Fcitx より iBus を選ぶメリットがない。それでも ibus-mozc を試すには /etc/pacman.conf に以下の Repo を追加後 yaourt 経由で導入する。それ以上は ArchWiki 参照のこと。

[pnsft-pur]
Server = http://downloads.sourceforge.net/project/pnsft-aur/pur/x86_64

32bit に特化した KahelOS との決定的な姿勢の違い

Chakra を使える Netbook は "Ultrabook" などと呼称される高級機だけ。この姿勢は、逆に 32-bit のみに絞った KahelOS とは好対照。32-bit, 64-bit どちらを対象とするか?Chakra 開発陣は 64-bit 主体な訳である。

64-bit「限定」は時期尚早に感じるし、利用者の切り捨て断行は Apple を連想させる…僕は、同じ Arch Linux 基盤かつフィリピン産の KahelOS を支持!

僕の Eee PC 1015PD は本家 Arch Linux に載せ替え

Chakra で久しぶりに触れた Arch Linux が好感触だったので、愛用の Eee PC 1015PD を Lubuntu から Arch/KDE へと切り替えた。Openbox が限界の機器で KDE に切り替えるのは無謀かと思われるだろうが、以前使用していた Aptosid/KDE は Lubuntu より遥かに高速動作した。

Ubuntu は圧倒的な Hardware 対応力と引き換えに「環境最適化」という側面を犠牲にせざるを得ない。Hardwares に関心があるなら Debian, Arch Linux など調整可能な Distro が良い。そりゃ Gentoo や Slackware が最善だが、非力な機器で Compile するには充分な余暇時間と忍耐力が要求される。

ともかく、僕はインストールの手間がかからない Chakra で何とかしようと思っていたのだが…新しい Arch Linux の Installer は、僕が知っている限り「最も手軽」だった。しかも、純粋な Arch/KDE は Aptosid/KDE と遜色ないほど快適!32-bit 環境で Chakra が利用できなかった「怪我の功名」だ。面倒臭がって良いことはない!と反省しきり。

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