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Requiem pour un ThinkPad R31

Requiem pour un ThinkPad R31

2002年以来、現役を貫いた IBM ThinkPad R31 も限界か?延命措置として Lubuntu 12.04 LTS を導入 OpenBox だとそこそこ動いた。Opera なら YouTube 動画視聴や SNS, DropBox の利用も出来そうだ。Ultrabook, Smartphone の登場で「恐竜」が迎えるべき Doomsday は間近。最期の調整に臨む。

Requiem pour un ThinkPad R31 Index

  1. 原始機器 ThinkPad R31
  2. Operating System 導入準備
  3. Bootable USB Stick では Installation 完遂不能
  4. Ubuntu 10.04 から 12.04 への「上書き」Upgrade
  5. 2012年現在における ThinkPad R31 の実用性

原始機器 ThinkPad R31

2012年現在 ThinkPad R31 にあるのは負の実用性。新品状態でもジャンク判定せざるを得ない性能だ。持ち運ぶには余りに巨大で重く、信じられないほど反応が鈍い。Netbook が登場し Smartphone が当たり前となった時代において Legacy と呼ぶのすら憚られる、いわば「原始機器」だ。しかし10年前の発売当時、新品で我が家にやって来た ThinkPad R31 を性能だけで語ることは出来ない。

現役稼働にこだわり再度 OS 入れ替えを決意

僕は ThinkPad R31 の HDD を完全フォーマットし Linux Mint 9 Isadora を導入。Xfce 4.6 環境でしばらく使っていた。2011年末に Eee PC 1015PD を買うまでは、唯一の持ち運び可能なパソコンだったのだ。バッテリー故障のため「電源アダプタ常時接続」という呪縛はあったが、それでも重宝した。しかし Eee PC 1015PD, Nokia N9 が手元にある現在 ThinkPad R31 に実用性はない。経年劣化もますます進行した。僕にとって最高のバージョンである Isadora も来春には LTS 期間が終了してしまう…とは言え、燃えるゴミに出すつもりもない。ならば「使える状態に保つべき」と意を固め OS の入れ替えに取り掛かった。

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Operating System 導入準備

2002年発売の ThinkPad R31 は当然 USB Boot 非対応。メディアも CD しか使えない。つまり Bootable CD を作成するしかないのだ。ところが肝心の CD Drive が経年劣化で挙動に不安を抱えている状態。もはや動作は時の運、動かない時は「てこでも」動かない。外付け CD/DVD Drive も所持していないため安定策はないが…賭けで一枚だけ CD を焼いてみることにした。

Plop Boot Manager

»入手先:Plop – Free Boot Manager

焼き込むのは ThinkPad R31 でも USB Boot を可能にするツール Plop Boot Manager だ。 plpbt-5.0.14.zip(2012-02-11 現在)を落とし、解凍して出てきた .iso を CD に焼き込む。この CD から Boot すれば USB Stick が使えるようになる。これで Boot 不能だった場合も気軽にやり直せる。

Probing EDD (edd=off to disable) で Boot 停止

»参考:[SOLVED] Probing EDD message at boot time: what does it mean?

早速、いつものように UNetbootin で USB Stick を作成して Live 版 Ubuntu 12.10 を Boot してみたが Probing EDD (edd=off to disable) のメッセージで停止してしまった。Debian 6.0, Aptosid Ponos, Sabayon 10 も試したが、やはり Probing EDD で止まる。

Kernel に edd=off を追加して Boot

»参考:Debian User Forums • View topic – Debian Squeeze won’t boot

示唆されている edd=off が謎解きのヒントに違いない。まず僕は edd について調べ、これが "Enhanced Disk Device" の略だと知った。詳細な解説は INT 13H にある。概要を把握した後 Debian User Forum で具体的な情報を得た。一部の旧型 Laptop に Linux をインストールするには Kernel に "edd=off" というパラメータを渡して起動する必要があるという。つまり Grub から edd=off と追加すれば良いだけだ!面倒な作業を予想していたが、手軽に問題解決出来たのは幸運だった。

Bios Upgrade

»入手先:BIOS Update (Non-Diskette) – ThinkPad R31

念のため Bios が更新可能かも調べた。可能であれば最新の状態にしたい。もちろん Bios 更新を失敗すると二度と ThinkPad が使えなくなるので、自己責任の作業が絶対条件だ。まずは Lenovo 公式サイトから最新 Bios(ThinkPad R31 の Bios は2004年で最後)を入手。Non-Diskette 版を選択してダウンロードしたら .exe を展開して img ファイルを取り出す。

cabextract 1fud53jp.exe

予想通り 1FUD53JP.IMG を UNetbootin で書き込めば起動可能な USB Stick が出来上がった。後は Plop Boot Manager を起動して USB を選び Bios 更新画面を呼び出して作業を完了するだけ。しかし、僕の場合は2004年当時に Bios 更新済みだった。つまり ThinkPad R31 には何の改善もなかった。

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Bootable USB Stick では Installation 完遂不能

Live 環境は起動可能となった。しかし Ubuntu 12.10 派生や Debian 6.0, Aptosid Ponos そして Sabayon 10, Arch Linux 2012.11.01 と試した Distro はことごとく Installation の途中で Freeze してしまった。作業を完遂出来たのは Slacko Puppy だけ。同じ Puppy でも Precise Puppy 5.4.1 は駄目だった。

扱えるのは Bootable CD のみ

もはや精魂尽き果てた…ThinkPad R31 の性能で Installation の工程を10回近く行ったのだ。その待機時間は想像を絶する。しかも以前は Linux Mint 9 だった環境で Puppy Linux しか使えないとは物悲しい。「これなら以前の状態に戻した方がマシ」だと思い、かつて Bootable CD からの導入に成功している Ubuntu 10.04 を試した。しかし!USB Boot ではエラーを繰り返すばかり。どうも Bootable USB Stick という形式そのものに問題がありそうだ。原因はまったく不明だが、とにかく現状「 ThinkPad R31 が扱えるのは Bootable CD のみ」という結論に達した。

結果的に退化した!

だからといって ThinkPad R31 を OS 抜きの状態で放置するわけにはいかない。物置を引っ掻き回すと EcoLinux というラベルの付いた CD が見つかった。これは初期状態の Ubuntu 10.04 からパッケージを大幅削減し、規定 DE を軽量の LXDE に差し替えただけの複製物。素性こそ怪しいが、要するに Ubuntu の二次配布なので心配ない。想像通り Bootable CD からの導入作業は完結。さしあたって DE を使い慣れた Xfce 4.6 へと変更し、やっとのことで ThinkPad R31 復活へと漕ぎ着けた…が、試行錯誤の結果「Linux Mint 9 から退化した」とは大失敗だ!

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Ubuntu 10.04 から 12.04 への「上書き」Upgrade

ともかく、素の状態の Ubuntu 10.04 では Security 面から実用がためらわれるので、可能なだけ最新の状態にしなくてはいけない。しかし 10.04 用パッケージを Update したとて Legacy の範疇であることに変わりはなく Linux Mint 9 から入れ替えた意味もまったくない。もはや最終手段「上書き」Upgrade に挑むしかないだろう。悠久の昔 Fedora Core 時代に何度も涙を飲まされた禁忌である。

From Ubuntu 10.04 to 12.04 upgrading

上書き Upgrade 開幕

Update Manager 初回起動時に Upgrade を促す Dialog が表示される。この指示に素直に従えば OS 起動中に、そのまま更新作業が開始されるのだ。10.04 から一気に 12.04 という一段飛ばしだが、そこは信頼の Ubuntu だ。無事に成功するに決まっている!しかし…

Upgrade 進行途中で電源を切る

更新作業が長時間に及んだので、僕は机の上を占拠していた ThinkPad R31 を移動させようとした。電源アダプタを一瞬取り外す必要があったが、問題はないはずだった。経年劣化した ThinkPad R31 のバッテリーは既に使える状態になかったが、5分以内であれば「頼れた」からだ。ところが、電源アダプタを抜くと即座に ThinkPad の電源が落ちた。よもやバッテリーが寿命を全うしていたとは!失敗ばかりの僕でも Upgrade 進行中に電源を落としたのは、さすがに初めて。

不測の事態を乗り越えて上書き Upgrade に初成功!

幸いなことに、強制終了直前の作業進捗は88%だった。電源を再投入すると、通常通り Boot 出来ただけでなく Xfce 環境まで正常に表示された。apt-get update –fix-missing で残り12%の更新作業を完了して、2017年4月までサポート期間が続く Ubuntu 12.04 LTS に晴れて到達!不測の事態を乗り越えての上書き Upgrade 初成功。ThinkPad R31 との思い出が、またひとつ生まれた瞬間だ。

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2012年現在における ThinkPad R31 の実用性

ThinkPad R31 では性能的に Unity, HUD, Software Manager, Ubuntu One 連携機能の動作は不可能に等しい。僕はそれらを切り捨て Ubuntu 12.04 を、いわば機能削減版 Xubuntu 12.04 として整えた。しかし ThinkPad R31 にとっては Xfce 4.8 が既に重荷だった。そこで DE を LXDE へと変更し、各種テーマを整えると、最終型は Lubuntu 12.04 そのものになった。それでもなお、日常利用に耐え得る状態からは程遠い。「実用するなら WM のみの環境で CLI ツール主体」それが最終的な僕の答えだ。

Plymouth によるポケモンショックに気をつけろ!

»参考:ubuntu 9.10 screen flickering problem on Thinkpad R31 with Intel 83830 Graphics

起動の度にポケモンショックの危険あり。Ubuntu 派生 Distro が起動時に表示する Plymouth のバグである。ThinkPad R31 に搭載されているチップセット Intel® 82830m では Plymouth が正常表示されず、画面が「パカパカ」状態となり激しく明滅し続ける。僕の環境では、これが約45秒間も続くのだ。まさかの「人体に被害を及ぼす」深刻なバグである。解決策は、起動時に i915.modeset=0 というパラメータを渡すこと。/etc/default/grub に書き込めば良い。

sudo vi /etc/default/grub
GRUB_CMDLINE_LINUX="i915.modeset=0"

2009年に既知の問題だが、公式な対応は今後もないだろう。各 Distro の「推奨スペック以下」環境で起きる問題は自己解決が常識だ。

LXDE 用の Ambiance theme で Ubuntu らしく

»入手先:RAVEfinity: Ambiance & Radiance For Xfce & LXDE

Xfce, LXDE 用の外観テーマ Ambiance, Radiance が有志によって作成されている。完成度抜群で Unity 以外の DE を選んでも Ubuntu らしさを演出することが出来る。

Ambiance for LXDE

GUI 環境では Single App にせざるを得ない

完全復活を果たした ThinkPad R31 ではあるが、実際のところ LXDE ですら挙動は芳しくない。例えば、僕の現在の Default である Chromium 起動中に楽曲を再生すると、激しい遅延や音飛びが頻繁に発生する。まるでレコードの針が飛んだかのように、何度も同じ箇所で引っかかったりするのだ。この状態を継続していると、遅かれ早かれ OS が Freeze してしまうので、早急にブラウザを落とすか音楽を停止するか、どちらかを選択しなくてはいけない。もはや GUI を備えたアプリであれば「単独使用」が基本。複数アプリの同時使用を考慮するならば CLI ツールを主体とするしかない。

Flash Player 10 しか使えない

»Flash Player 10 入手先:Archived Flash Player versions

調べたところ ThinkPad R31 では CPU の制約から Flash Player 11 も利用不可だった。Arch Linux Forums で、僕と同じく Retro Laptop 環境で Flash が再生されない人物(旧型 Vaio ユーザー)を発見。原因は「プロセッサが SSE2 非対応だからでは?」と予測されていた。確かに ThinkPad R31 の Mobile Celeron Tualatin-256K 1.06 GHz は SSE 対応のみ。Flash Player 10 に戻すと、再び Flash Contents が表示可能となった。作業としては ~/Downloads に落とした *.gz を解凍し、中身を所定の場所に移動するだけ。

sudo cp -r ~/Download/usr/* /usr
sudo mkdir -p /usr/lib/mozilla/plugins
sudo mv *.so /usr/lib/mozilla/plugins

Chromium の場合 Flash Player を要求されると "Out of date plug-ins" の警告が表示され、その度に "Run this time" で許可する必要がある。手間ではあるが、そもそも ThinkPad R31 の性能で Flash Contents を再生することが稀なので、この程度は許容範囲だ。

Opera がまたも常識をブチ破る!Pentium III 世代の機器で高速動作

» Download Opera – My Opera

やはり Pentium III 世代の機器で Modern Browser を動かすなど馬鹿げているだろうか?実際のところ Chromium, Firefox でページを開くなら、携帯電話の Full Browser の方が断然速い。Dooble Web Browser は優秀だったが Modern とは言えない。放置状態の Arora や正常動作した試しのない Midori は論外。これは諦めか…いや!過酷な環境であるほどに速い、我らが Opera がある。Email, Sync, Themes などの機能を贅沢に利用してもなお Dooble より遥かに速いのだ。もちろん Flash Player 10 完全動作。YouTube で動画視聴も出来るし DropBox にファイルを Upload することも出来る。定番だが Opera は凄い!

Opera 12 on ThinkPad R31

推奨 Desktop Environment なし

LXDE ですら厳しいので、根本的に DE は利用不可と考えた方が良い。推奨出来るのは Fluxbox, awesome など Windows Manager のみのデスクトップ。Lubuntu 環境であれば OpenBox のみの Session に切り替えられる。この状態なら Opera もより高速化。急ぎの場合は贅沢せずに Vim, w3m, Mutt, cmus など CLI 主体で活用すれば ThinkPad R31 も「それなり」には使える。もっとも出来ることに対し、場所占有率と消費電力が大きすぎるのだが。

OpenBox のみの環境で壁紙を変更するには?

ImageMagick で簡単に壁紙が設定出来る。ログアウトすると剥げるので ~/.config/openbox/autostart.sh として配置しておけば良い。

vi ~/.config/openbox/autostart.shdisplay -size 1024x768 -window root FILE &

apt-get update 時の GPG エラー解消法

»参考:What is the easiest way to resolve apt-get BADSIG GPG errors? – Ask Ubuntu

apt-get update の最中に GPG エラーが出たら、上記リンクを参考に修正。利用頻度の激減した ThinkPad R31 だが、四半期に一度くらいは更新しておきたい。

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理由など不要 ThinkPad R31 よ永遠に!

Lubuntu 12.04 に切り替え、結果的に OpenBox 環境主体とすることで ThinkPad R31 が「まだ動く」ことを実感した。これまでの試行錯誤に、丸一週間は費やした。Opera のおかげで各種 SNS や YouTube も利用できるようになったし、緊急時の代替マシンとしての存在価値が蘇った…いや、バッテリーが使えないことを忘れていた。まさかの完全「据え置き」ノート型パソコンである。正直、捨てても良いかと思う。でも捨てない。押入れに安置こそすれ捨てない。ここまで頑張ったのだから、もう「理由はいらない」だろう。

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