Heijastin

Recensione dyne:bolic

見た瞬間「かっこいい!」という印象。

Rasta で小洒落たイタリア産の dyne:bolic は音楽・動画制作など Multimedia 関連に注力した Distro だという。なるほど、僕の興味を惹くわけだ。その実態は KNOPPIX に代表される Debian 基盤の Live 形態。こいつは試してみるしかない。

Multimedia に特化した Portable OS

dyne:bolic 2.5.2
dyne:bolic 2.5.2

dyne:bolic はインストールなしでの利用を前提に作られており CD/DVD ないし USB にコピーして使う。持ち運び型の Portable OS だ。最新版は2011年の9月にリリースされた 3.0 だが Torrent 経由での配布しか行なっていないため、現在は入手困難。僕は Franche-Comté の都市大学 IUT de Belfort の FTP サーバから、かろうじて dyne:bolic 2.5.2 をダウンロードすることが出来た。

これは 2007/12/01 のリリース。2007年当時は Ultra Book や 64bit Laptop などは一般普及していないので dyne:bolic 2.5.2 も 32bit 低スペック環境を想定したシステム構成となっている。デスクトップ環境は Xfce 4.4 であり Window Manager には懐かしい Blackbox が選択されている。全体的な軽量化が測られており、レスポンスは良好。

携帯型 Linux で、どこでも DJ

ソフト面は、やはり音楽関連が充実。Rosegarden といった厚めの midi 作曲ソフトも用意されているが Live CD という環境を考慮すると、再生 Remix 関連が主用途だろう。そのため Hydrogen というドラムマシンや SooperLooper といったサンプラーなど、かなりの種類が用意されている。パソコンさえあれば、どこでも DJ やっちゃうよ!といった雰囲気だ。

深夜、ノイズと汗が充満する満員電車状態のクラブで、おもむろにノートパソコンを開き Linux を起動する「謎深き」人物…実はそいつが今夜の DJ だった!なんてシーンが想像出来る。ローカルなクラブでは、そんな DJ が実際に存在していてもおかしくない。切り詰めた生活の中で音楽活動を行うには、低スペックマシンで軽快動作する dyne:bolic と無償で提供がなされている OSS 音楽ソフト群は大きな助けになる。また、何かの時の予備として USB で持ち運ぶのも悪いアイデアじゃない。

可能であれば最新版の 3.0 の利用を推奨

dyne:bolic 2.5.2 は 64bit 環境では起動しない。Kernel に渡せるオプションが3つあるが 64bit 環境ではどれも無効。2007年当時を振り返ると、これが普通だ。また、日本語キーマップがインストールされていない。初期キー配置は US なので行き詰まることはないが、ちょっと面倒。軽量化のため、ユーザーが乏しいと思われるロケールは追加していないのだろう。デバイス対応も2007年当時のものに限られるので、なるべく2011年の最新版を利用したい。といっても入手が難しいが… Package 関連は DPKG のみだが PackageManager で管理が行えるようだ。

公園なんかで仲間と一緒に音楽編集

環境を問わずに各種メディアツールを利用出来るのは dyne:bolic の最大の強みだ。初期状態に等しい Windows , OSX しかない環境でも、自分が使い慣れている音楽ツールですぐ編集・再生が行える。機種や OS を問わず、誰かが Laptop を持って来さえすれば、公園なんかで仲間と一緒に音楽編集したり出来るのだ。これってかなり素敵な発想だと思う。それに Linux なのだから、ネットワーク用途にも当然活躍。dyne:bolic で広がる楽しみが結構ありそうだ。

しかし Live CD の起動には苦労した…

VirtualBox で dyne:bolic を動作させると、マウスが正常認識されずキーボード操作のみとなる。しかし、日本語キー配置を認識しない。Live 版なので Guest Additions の手軽な追加も不可能だ。どうにも、面倒だったので実機で試すことにした。しかし、僕の手持ちで 32 bit は Netbook の Eee PC 1015PD だけ。そこで Live USB 化して試してみたが、各種デバイスエラーが噴出…

仕方なく ThinkPad R31 を引っ張り出したが CD Drive が壊れているのを忘れてた。結局、ほとんど置物と化していた HP Compaq nx4820 にて、なんとか起動に成功。NIC と外部ドライブ認識不能という完全 Standalone だったが一応動いた。dyne:bolic 最新版ではハードウェア対応が強化されていることを願いたい。それにしても手間だった!

xwd Screenshot

dyne:bolic には手軽な Screenshot 用ツールがない。Gimp はあるが、面倒なので9年ぶりに思い出した xwd を打った。何かで使うかも知れないので、一応メモっておく。

sleep 5; xwd -root > NAME.xwd

dyne:bolic の開発状況は?

僕にとって dyne:bolic は気になる Distro なのだが、先に述べたように最新版が入手出来ない。配布形態が Torrent のみで、これがまったく落ちて来る気配がないのだ。Pear が激しく過疎。公式サイトのトップに掲載されている、やたらと飲みそうなコミュニティ仲間たち、あの気の良さそうな連中は Pear になってはくれないのか?気のせいか "Please keep seeding after download completed"(落とし終わっても、すぐ切らないでね)という注意書きがやたらとデカく見える…

現在は Wiki にて活動状況が確認可能

デザインこそスタイリッシュだが、公式サイトには、ややもすると放置の疑いがある。なにせ Bookmark すると URL が直接表示されている。ソースを確認すると、やっぱり title が無記載だ。こうなると、サイトの最終更新日が気になるところだが、公式ブログの各記事にはタイムスタンプが掲載されていない。RSS 経由ならタイムスタンプ取得可能だが、見たところサイト上にはフィード登録ボタンなどが存在していない。替りに各所に張られた Donation リンクが危急を告げているかのようだ。独立系 Distro には人知れず消えていくものが少なくない…

嫌な予感がして再びソースを確認してみたところ WordPress 製のソース内から RSS フィード のアドレスが取得出来た。早速フィード上から確認してみると…ブログの最新記事は 09/26/2011 03:59 AM 付けとなっている。2011年09月26日(月)の早朝4時1分前。なんという事だ!3.0 が最後のリリースとなってしまったのか…と一瞬がっくりしたが、ちゃんと検索してみると 公式 Wiki の存在を見落としていたことに気が付いた。目下は、こちらが Active で活動状況がしっかり確認出来る。良かった!

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