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Linux Mint 13 Review

独自。

先の 2012/05/23 にリリースされた Linux Mint 13 Cinnamon 版は、従来までの「Ubuntu の色違い」からの完全脱却を果たしている。親にあたる Ubuntu がビジネス志向に先鋭化するのに対し Linux Mint は中高生など若年層やパソコン初心者を対象とした「エントリー」の姿勢を貫く。このポリシー自体も Ubuntu からの受け売りではあるが、至れり尽くせリの Linux Mint はライトユーザーにとって最良の選択となるはずだ。

かんたん、綺麗、誰でも使える!

Linux Mint 13 MayaOfficial Download: Download – Linux Mint

Gnome 3 に対するマスコミやエンドユーザーのリアクションが一段落着いたことで Linux Mint も落ち着きを取り戻した感がある。僕の環境は Gentoo/KDE で、いつものように VirtualBox に Linux Mint 13 Maya Cinnamon Edition を導入。Linux Mint 9 Isadora 以来、実に久しぶりに「かんたん、綺麗、誰でも使える」という好感触を得ることが出来た。外観にこそ大きな変化はないが、機能は大きく安定・充実している。改めて Linux Mint 11, 12 は「13 の開発版に過ぎなかった」という印象が強い。Ubuntu の後追いリリースを続けざるを得ないほど多くのライトユーザーを抱えたことは Distro の発展と同時に、重荷にもなっているのだろう。

最初から Flash, Codecs 環境が整った Distro は当然ながら少ない

Linux Mint のデビュー以降に急増した「若年層ライトユーザー」が真っ先に望む三大要素は Flash によるリッチコンテンツの視聴、各種音楽・動画を正しく再生可能なコーデックの整備、そしてゲームだろう。乱暴に言えば、これら以外はどうでも良いのだ。プリンタとカメラも重要な要素ではあるが、コンビニ印刷や SNS の拡充によってローカルでの処理は減ってきている。しかし考えてみて欲しい。Flash, Codecs をインストール直後から完備した Distro があるだろうか?Free SoftwareGNU/Linux を標榜した場合、これら Proprietary の塊をバンドルすることはあり得ない。しかし、僕は未だ Linux を知らない人に対する Demonstration としての役割を持つ Linux Mint のような Distro も必要だと思うのだ。

試金石としての存在意義

Temp Linux Users(その場限りユーザー)は Linux ユーザー、少なくとも僕にとっては地球外生命体的な存在だが、彼らの存在が Ecosystem 拡大に貢献することも事実。Linux ユーザーが少数派であり続ける「デメリット」は余りにも大きい。大切なことは、どうやって彼らを「育む」かだ。限りなく敷居の低い Linux Mint を窓口にして Linux の持つ「深み」に興味を抱くユーザーが育っていけば最高。逆に、何も発見出来ずに終わるのもまた良しなのだ。ユーザーを「ふるい」にかける試金石としての Linux Mint の存在意義は大きい。

誰にでも使えるものを作るのは難しい

僕は Linux Mint 13 を導入する直前まで Chakra Archimedes を試していた。Chakra も手軽な Distro だが、あくまでも「Arch Linux を知っている人にとって」という大前提がある。Chakra の長所は「独自調整が施された完成度の高い KDE 環境」そして外観の美しさにあるわけで Gnome 勢にとっては Arch Linux の方が好ましいだろう。そもそも Chakra を Linux Mint の比較対象とするには無理があった…ともかく「汎用」として考慮された Linux Mint の「かんたん度合い」は抜群に高い。「誰でもかんたんに使える」というものを作るのは、難しいものを難しいままユーザーに公開するよりも、遥かに手間や気遣いが要求される、精神的疲労度の高い苦行だ。近年の Linux Mint の紆余曲折には、そこが顕著に見えた。これも人気 Distro が抱える「宿命」と言える。

Linux Mint 完全復活

Linux Mint は遂に、初心者からベテランまで、垣根のないユーザー層にアピール出来る完成度を取り戻した。僕は 11, 12 の不安定さから、しばらく Linux Mint を敬遠していたのだが、今回のリリースで Linux Mint の完全復活を確信した。そもそも僕にとって愛着ある Distro なのだ。初心者のほとんどを占めるであろう Windows 主体のユーザーは Linux Mint で Seamless な操作感を体験出来るに違いない。Windows との親和性を保ちつつ、じわりじわりと Linux の深みを浸透させる…Linux 普及を諦めるのはまだ早い!

Mate 環境について

Cinnamon は Gnome 3 の持つ先進的な機能を削ることなく Gnome 2 の使い勝手を「完全再現」している。Linux Mint 13 で完成された感のある Cinnamon は充分以上のカスタマイズ性と利便性を持っている。僕は Gnome 2 の忠実な Clone である旧態依然とした Mate の存在意義を、もはや感じていない。なにより Xfce 4.10 があるではないか!GTK 系統なら Xfce も悪くないぞ。興味のある方は Xubuntu のレビューもどうぞ。

VirtualBox での注意点

Shared Folders の項目で Auto-mount にチェックが入っていると Options 付きの mount 指示が無効化されるようになった。ちょっと前まで、そんなの関係なかったんだが…そもそも良くわからないでチェック入れるから駄目なのか。まぁ、同じようなパターンで、昔も Enable USB 2.0 (EHCI) Controller にチェックが入っていると USB が正常に認識されないという奇妙な現象があった。この時の経験が役に立った感じ。改めて明記すると、以下のようにして自動 mount するんだぞ。ちなみに、バグる理由はわからん。

sudo nano /etc/rc.local
mount -t vboxsf -o uid=NAME,gid=NAME DIR /MOUNT/POINT

User Directories の PATH の変更

今まで単純に $HOME の各 Dirs を削除して mount 先に各々 ln -s していたが、遥かにスマートな方法があった。しかも超楽。以下のファイル内の PATH を書き換えていけば良いだけ。今更になって公式 Document 読んで理解。全然知らんかった…

~/.config/user-dirs.dirs

gedit の External Tools を使って編集中のファイルを開く

今回は VirtualBox の Linux Mint にて、久しぶりに gedit を使って記事を書いている。さっと記事を Preview したいのだが gedit 3 は Kate と違って File > Open With の項目が存在しない。代わりに Plugin を使うわけだ。例えば、現在編集中の HTML ファイルを Opera で開く場合は、以下のように External Tool 登録をする。Output を Nothing にして Shortcut を設定すれば完了。

opera $GEDIT_CURRENT_DOCUMENT_PATH